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第2話 学校

潤と杏里が家に来てから数日が経った。


「おはようー」


「おはよう・・・」


「相変わらず朝弱いな。それよりも髪どうしたんだ?」


学校に向かって登校をしていると、潤と杏里が話しかけてきた。


「心機一転で染めてみた」


俺やこの2人が通っている高校、私立玲瓏学園はこの辺りの高校の中ではトップクラスの進学校だが、ブレザーとネクタイの制服もオシャレで校則も厳しくなくて、自由な校風で有名だ。


そのため髪を染めてる生徒も多い。


実際俺も今までは茶髪だった。


しかし今回心機一転で黒髪に戻した。


「中学の時以来か?」


「うん」


「侑月は茶髪も似合ってたけど、黒もいいよね」


そんな事を話していると学校の敷地に入った。



玲瓏学園は校舎が凄く綺麗で大きい。


1年生は最初の1ヶ月は必ずと言っていいほど迷子になる。




「杏里、1時間目って何?」


「化学だよ」


教室に着いて杏里に1時間目を聞いた。


「潤サボらない?」


「良いな。じゃあ行くか」


席が隣の潤に話をしてそのまま自分の荷物だけを持って屋上に2人で向かった。




「5月は屋上に来ても安心だな」


「冬に来たら死ぬからな。」


屋上にはベンチが2個あるため俺は手前に座った。



「今日なんか面白いのある?」


「知らね。けどどっかで彩ちゃんの授業があったと思う」


「じゃあそれだけ出るか。なんか言われそうだけど」


「そう言えば彩ちゃんって瑠奈先輩と仲良かったな」


彩ちゃんとは英語教師の相模彩(さがみあや)の事だ。


「そうなんだよ。向こうも頼ったりするからさ」


瑠奈と彩ちゃんは教師と生徒の関係ではあまり無いように見える。


言うならば姉と妹だ。


「あとで杏里に何時間目か聞いといて」


そう言って俺の意識は無くなった。




潤と共に一眠りをした後、杏里が屋上に来た。


「2人とも起きろ!」


杏里に起こされて教室に戻って4時間目の彩ちゃんの授業を受けた。


チャイムが鳴り、英語の授業が終わりって、生徒達が食堂に向かい始めた。


「侑月くん。ちょっといい?」


潤と杏里の3人で食堂に行こうとしていると彩ちゃんに話しかけられた。


「先行っといて」


2人を先に行かして彩ちゃんの方に行った。


「ごめんね。時間取らして」


「大丈夫。それよりも何?」


「ここで話すのもなんだから、ちょっと移動しようか」


そう言われその階にあった会議室に入った。



「で何? まぁ瑠奈の事だろ?」


「やっぱり分かってるか」


「そりゃ瑠奈と彩ちゃんの関係を知ってたらそう思うよ。しかも今なら尚更ね」


「そうだよね。私から言えるのは1つだけ。あの子の話を聞いてあげて」


そう言って彩ちゃんは頭を下げた。


「そんな頭なんか下げないでよ。彩ちゃんは無関係じゃんか」


「お願い」


俺が言っても頭を下げたままな彩ちゃんを見ていれなくなった。


「とりあえず頭上げて」


ようやく頭を上げた彩ちゃんを見てまた俺は話し始めた。


「瑠奈の話を聞いてって言われてもあいつは理由分かってるの?俺が振った理由」


「それは私からは言えない。私から言えるのは話を聞いてあげてって事だけ」




彩ちゃんとの話を1度終えて食堂に向かった。


「来たか。どうだった?」


「分からない。あいつが考えてる理由が」


「何言われたの?」


「瑠奈の話を聞いてあげてってしか言えないって」


「ふーん なんか知ってるんだろうね。彩ちゃんは」


「そうだろうな。そうじゃないとそんな事言わないだろ」


その後も考えたが何も思い浮かばなかった。


「・・・帰る」


「は? 早退すんの?」


「うん。1人にちょっと考える」


担任に帰ることを言って、教室に戻り荷物を持って学校を出た。


(話を聞けって言われてもあの光景には嘘は無い。けどもし浮気をしてなかったらいくら彩ちゃんでもあんな事は言わないはずだ)


滅多に人が来ない公園に行って、この事をずっと頭の中で考えていた。


辺りが暗くなり、雨が降り始めた。


「1回家帰るか・・・」


俺の家は結構大きなマンションだ。


親が持っていた荷物置きの部屋を掃除して1人で住んでいる。


(びしょびしょだよ・・・ 早くシャワー浴びよ)


そんな事を考えているとマンションの入口の所に女性がたっていた。


遠目から見て身長はあまり高くなく、恐らく160は無いぐらいだ。


だんだん近くになってきてしっかりと見えるようになってきた。


茶髪のミディアムで巻いてる女性がたっていた。


(綺麗な人だなー )


と思っていたが顔を見た瞬間にその考えが変わった。


「瑠奈!? なんでこんなとこいるんだよ!?」


そこにたっていたのは既に泣きかけていて、びしょびしょの元カノの高柳瑠奈だった。


「ゆ、侑月・・・」


「そんなに雨に濡れて何してんの!?」


「侑月を待ってた・・・」


「とりあえず部屋来て」


この時は瑠奈の浮気の事も忘れていて、このびしょびしょな瑠奈を何とかしないと思っていた。




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