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第1話 浮気しかされない男

浮気 男女間、特に夫婦間の愛情が浮つくこと。夫婦であるか、または恋人がいるにもかかわらず、他の異性に愛情が移ること。


浮気を許せる人間もいれば許せない人間もいる。


自分が悪いと思う人間もいれば、相手が悪いと思う人間もいる。


基本的には浮気をした者が悪いとされている。


だが浮気をされた方にも責任がある場合もある。



その浮気を人生で1度もされない人間もいる。


しかし今までの恋愛で浮気しかされてこなかった人間もいるのだ。




「はぁー・・・ もう恋愛なんかしない・・・」


「そんなに落ち込まないでよ」


「それにしても女運無いよな」


「女運って言っても今までのと今回は別物だから・・・」


俺、一色 侑月(いっしき ゆづき)は落ち込んでいた。


その理由は付き合っていた彼女に浮気されたからだ。


数週間前


その日は1人で買い物をするために街中に出掛けていた。



付き合っていた彼女の高柳 瑠奈(たかやなぎ るな)と一緒に行こうと考えていたが、その日は瑠奈が用事があると言ったので、1人で買い物をしていた。


その帰り道に瑠奈が男と2人で仲良さそうに歩いているところを見た。


最初は瑠奈の兄弟かと思ったが、彼女には兄弟が居ないことを思い出した。


そしてその2人を改めて見てみると、瑠奈とその男が手を繋いでいたのだ。


それを見た俺は確信をした。


「浮気されてるのか・・・」


まだ買いたい物はあったが、そのまま家に帰り、瑠奈に電話をした。



「もしもしー どうしたの侑月?」


「・・・別れよう」


「え!? どうしたの急に?」


「このまま付き合っても失敗する未来しか見えない。だから別れよう」


「・・・分かった」


それから数週間がたった今でも侑月は落ち込んでいたのだ。


「切り替えなよ。今回は運が悪かったと思ったらいいんだよ」


「・・・」


「けど実際そう思うしかないって。詩音を庇うわけじゃないけど」


小学校からの仲の相田 潤(あいだ じゅん)とその彼女の月島 杏里(つきしま あんり)が別れてからは毎日、俺の家に来て慰めてもらっている。


だが俺からしたら、慰めに来たのではなくて、2人が一緒に居れるところとしてここを使っていると見えた。


「お前らホントに慰めてきてるの?」


「当たり前だろー 」


「そうだよ。友達でしょ」


「本音は」


「いくら杏里といても何も言われないから」


「帰れ!」


現在、俺は高校2年生だが一人暮らしをしている。


そのため前からこの2人は入り浸っていた。


最初は鬱陶しいと思っていたが、最近ではもう諦めている。



「けど今考えても、瑠奈先輩が浮気したなんて考えられないな」


「あんなに侑月の事好きだったからな」


「信じられなくても事実なんだ。向こうは大学生だから、俺なんかよりもいい人を見つけたってことだろ」


俺だって信じたくもなかった。確かに最近は会えてなかった。


瑠奈が大学生になってから時間が合わなくなっていたのは確かだ。


たけどそこまですれ違っていると思った事はなかった。


「また新しい出会いもあるよ。」


「・・・そうだな」



それから少ししたら2人は帰って行った。



寝る準備をして、布団に入って考えていた。



今まで俺は瑠奈を入れて、3人の女の子と付き合ってきた。


1人目は中学三年生の時


相手から告白してきて、どうしても言うので付き合ってみた。


だが付き合って1か月した時に、相手から


「侑月くんの顔を好きだったけど、付き合ってみるとそんなだったんだ。それに私もう次の彼氏いるから」


と言われてフラれた。


それを言われた時に俺は別にあまり怒りが湧かなかった。


自分でも好きでも無い子と付き合っていた訳だ。


別れる口実が欲しかったのでそれを受け入れた。



しかし潤と杏里がその事を聞くと激怒していた。


「侑月はムカつかないの!? そんなこと言われて」


と杏里に言われたが


「別に。後悔してるのはあんなのに時間を使ってたことぐらいだよ。それにあんなのは同じ事繰り返すんじゃない? 興味は無いけど」


と言うと2人はそれからその事についてはそれから怒りを見せなくなって、逆にあんなのと付き合っていた俺をいじってくるようになった。


2人目は高校に入ってすぐだった。


相手は同じ高校の同級生だった。


その子は入学してから数週間で既に可愛いと噂になっていた。


だが侑月の近くには既に潤の彼女だった、杏里がいたのだ。


杏里は友達の贔屓目無しにしても美少女だ。


身長はそこまで高くないが、綺麗な黒髪のロングで、実際に潤と付き合っていると知っていても告白してくる男もいた。


その杏里を見てるとその子の事を特別に可愛いと思わなかった。


だがその子が告白をしてきた。


俺は正直断ろうとしていた。


その子の事もそんなに知らなかったからだ。


だけどその子は人が沢山いるところで告白をしてきた。


それでも断っても良かったのだが、色々と考えた結果、承諾した。


だがその子は四六時中一緒にいようとしてきた。


普通に教室で杏里と話したり、クラスメイトと話したりしただけで文句を言ってきたりもした。


それに嫌気がさしてきたので、別れる理由を探していた。


すると相手が三股していた事が分かった。


それを相手に言って別れることができた。


それに対しては周りの友達はそこまで怒りを見せることはなかった。


逆に別れて良かったね、と言ってもらう事の方が多かった。



この2人に対しては好きになれずに終えた。


だから瑠奈と付き合って初めて好きな人と恋人になれたのだ。


その相手にうわをされた事は自分が思っていた以上にダメージが大きかった。



(このまま考えても一緒だな)


そう思ってその日は寝た。














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