輝かしい未来へ
こんにちは勿忘草です。
そろそろ熱くなってきましたね。
ただまだ屋内ではクーラーで寒いので羽織は手放せない…今回はルトル改めトールがベッドに慣れてきた辺りの話です。楽しんでいただければ幸いです。
しばらくするとシェリーがミリア達を引き連れて戻ってきた。
戻ってくるなりミリアがトールのもとへ駆け寄ってきた。
「ねぇ大丈夫?やっぱりまだ体調は回復していないみたいね。ごはんも食べれてないんだっけ?お腹すいてない?大丈夫?」
反応を見るに本当にシェリーはミリア達に呪いについて言っていないらしい。
「安心して多分力が抜けただけだと思うから大丈夫だよ。お腹はそんなに空いてないかな。」
「まぁ何も食べてないようですしスープくらいは飲めるでしょう。僕がもってきますからちゃんと飲んでくださいよ。」
ここに来てからあまり話していなかったキースも心配してくれているようだ。
「ありがとう」
トールはその好意に素直に感謝してその他の面々に何があったのか少し嘘を交えた罪悪感に襲われつつ説明をしていた。
父親に虐待されていたこと
原因は火魔法のスキルを持っていることだったこと
魔法が生まれつき使えないこと…
話しているうちにキースが戻ってきて、トールは質素ではあるものの温かく美味しそうなスープを飲んだ。
トールが飲み終わったところでルークが本題を話し始めた。
「トール、実は俺達冒険者パーティーを組んでいてな。今度のクエストはE級の奴で俺らがやろうと思ってる作戦だと人数が5人いるんだ。あいにくかけだしなもんで俺ら自身のランクはF、1人カバーできるような力量もないんだ。
どうだ、一緒に来ないか?」
ルークがトールに告げたのは冒険者パーティーの勧誘だった。
《冒険者:この世界には魔物は居ないもののクロコと呼ばれる闇の力を持った人に対して攻撃し、町を荒らすものが居る。これらを倒すもの達を冒険者と呼び、SからGまでのランクがある。》
「ありがとう。でも俺戦えないよ?」
トールは自身が魔法が使えず体力は低く、スキルも使えない魔法系であることを知っていた。そのため戦闘には絶対に向いていないことも察していた。
「魔法が使えねぇことは分かったが肉弾戦はできるんだろ?体力は伸ばすことも可能だし俺が教えてやるから心配すんな。行く場所ねぇならついてこい!」
不安になっていたトールの気持ちを吹っ飛ばすルークの言葉を受けてトールは提案に乗った。
「私たちのチーム名はストレリチアよ語源はオレンジの花よ。花言葉は輝かしい未来よ!」
ありがとうございました。
ようやくトールが旅立ちそうですね。
ちなみにストレリチアの花言葉が出てきましたが私の名前の勿忘草の花言葉は 忘れないで です。私のことを忘れないでまた次回もどうぞよろしくお願いします。(私が忘れたらどうしよう…)