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春紫苑  作者: E.L.L
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3

結局眠れぬ夜を過ごし、朝がきた

とりあえず何も起きていない

外を歩くのは危険だろうか

でも、このまま家にいても周りの人に迷惑がかかるかもしれない

むしろ帰ってきたことの方が問題だった気がする

僕のせいで誰かが被害に遭うなど言語道断だ


僕はとりあえず用心深く外へ出た

今日は学校へは行けない

周りにどんな迷惑がかかるか知れない

ただでさえ僕は今まで人に散々迷惑をかけてきたのだ



しかし、拍子抜けするくらい何も起きなかった

行くあてもなく歩き続け、ファミレスやファーストフード店なども周りへの影響を考えて入らなかった

お腹も喉も限界に近い

またあの場所に行く度胸などなく、日が暮れてきてしまった

家以外に行くところなどない

お金だってもちろんない


どうしたものか…

いや、そもそもここはどこなんだ

考えもなく歩いてきたし、迷子になるのは当たり前だった

そしてそれは逆に好都合かもしれない

周りを巻き込まなくて済む


色々な思考がうずまく中、あの金色の瞳が頭から離れない

ふと気づくとあの少年のことを考えている


その時後ろから突然声がした


『おい』


低くも高くもなく、なんの感情も読み取れない声

何より気配がない

ビクッとして振り向くと金色のアーモンド型の瞳がすぐ後ろで僕を捉えていた

周りが暗いからか、金の瞳は光っているように見えた

昨日の少年に間違いない

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