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結局眠れぬ夜を過ごし、朝がきた
とりあえず何も起きていない
外を歩くのは危険だろうか
でも、このまま家にいても周りの人に迷惑がかかるかもしれない
むしろ帰ってきたことの方が問題だった気がする
僕のせいで誰かが被害に遭うなど言語道断だ
僕はとりあえず用心深く外へ出た
今日は学校へは行けない
周りにどんな迷惑がかかるか知れない
ただでさえ僕は今まで人に散々迷惑をかけてきたのだ
しかし、拍子抜けするくらい何も起きなかった
行くあてもなく歩き続け、ファミレスやファーストフード店なども周りへの影響を考えて入らなかった
お腹も喉も限界に近い
またあの場所に行く度胸などなく、日が暮れてきてしまった
家以外に行くところなどない
お金だってもちろんない
どうしたものか…
いや、そもそもここはどこなんだ
考えもなく歩いてきたし、迷子になるのは当たり前だった
そしてそれは逆に好都合かもしれない
周りを巻き込まなくて済む
色々な思考がうずまく中、あの金色の瞳が頭から離れない
ふと気づくとあの少年のことを考えている
その時後ろから突然声がした
『おい』
低くも高くもなく、なんの感情も読み取れない声
何より気配がない
ビクッとして振り向くと金色のアーモンド型の瞳がすぐ後ろで僕を捉えていた
周りが暗いからか、金の瞳は光っているように見えた
昨日の少年に間違いない