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春紫苑  作者: E.L.L
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でもそいつはまるで興味を無くしたかのように踵を返してそのまま歩き去ってしまった


僕はしばらく動けなかった

目の前の前髪からしずくが滴り落ちるのがやけにゆっくりとして見える

明らかに絶命している男が転がっているのがまるでブラウン管の向こうのことのようだった

あ、今はブラウン管って言わないんだっけ?

日が落ちて冷えてきた頃僕はようやく魔法が解けたかのように動けるようになった


目の前で起きたことが非現実的すぎて視界を遮る前髪をかきあげ、ただ機械的に位置情報を出す

大通りから三本裏道に入ってしまっていた

僕はフラフラと家まで歩いた

足が重いのはぐっしょり濡れた服や荷物だけでは無いだろう


帰ってからもあの少年の鮮やかな動きが延々と頭の中で繰り返される

正しいものは美しい

そう聞いたことがあるけれどあの動きはそのものだった


待てよ


僕はガバッと起き上がった

あれは目の前で殺人事件が起きたってことだよな?

ということは目撃者ということになる

ドラマとかならば消される可能性がとても高い

大変まずい

いや、待てよ

ならなぜあの時殺されなかった?

あいつなら僕のことなど秒殺できただろうに

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