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2話
「重役出勤とはご苦労様で」
俺一人だったら、
ここまで飲みすぎてはいなかったかもしれない。
俺を自堕落生活へと誘った、悪の根源。
通称 ”松ちゃんパイセン” 又の名を
松田 亮太朗とも言う。
青白い顔の俺をみて、嗤っている。
全くもって性格の悪い。
まぁ…自宅まで連れ帰ってもらっといて、
終電まで介抱してくれたけど。
午後になって、ようやく吐き気が治まったので、
講義を受けに、キャンパスまで来たのだ。
とは言えど、気持ち的にはこのまま、
ベットで寝ていたかったが、誰だかさんの誘いで入ったサークルで遊びすぎて、
単位がギリギリなのだ。
頭の良い、松ちゃんパイセンは、きちんと計算して、講義を休んでいる。
何より、翌日に酒を残さない。
つまりは酒豪である。あの人に最初から最後まで付き合ったことは、一度もない。
というかそんなことは、例えしたくとも出来ない。そんなことが出来るのは、化け物だ。
「ちょっとは気が晴れたろ」
そう言いながら、ほらよ!と水のテットボトル500mlを投げてくる。
気を晴れる代償は、決して軽くない。
うぇ。また気持ち悪くなってきた。