目覚めた騎士は……
すみません!大幅に投稿が遅れてしまいました!
こんな作品見てる方は少ないかもしれませんが、それでも遅れてしまったことは申し訳ないです。
次回からまた頑張っていきますのでどうかラグナロクを今後もよろしくお願いします。
それではどうぞ!
周りの音が聞こえる、嗚呼、俺生きてたんだ……
「……い」
「おーい……」
誰の声だろう、しばらく寝させてくれよ....
「おーい!!!!! 生きてる!? 君!!!」
いきなり声が大きくなったのに驚いて俺は飛び上がってしまった。
「うわぁ!!! 脅かさないでよ!!!」
彼女は驚いたようだが俺も驚いたんだからどっちもどっちだ。
っとそれより此処は何処なのだろうか?宿屋のように見えるが……。
「いやぁー暁の森で倒れてたからさぁ、とりあえず村へ連れて来たんだけど大丈夫?」
「大丈夫な訳無いだろう」と口走りそうになったが相手は助けてくれた身であるので、本音はとてもじゃないが言うことはできなかった。
「ん~……大丈夫かな? それよりありがとう、助けてくれて。」
というかアンサーめ……倒れてたのに助けなかったのかよ……
「おやおや? お目覚めのようだね、ローグ君」
!!アンサー……!? お前……どこにい……る……? あれ……姿が見えてる……!?
「? どうしたんだい、ローグ君……あぁ、なるほど。 姿が見えて驚いているんだね、分かる分かるよ、それ」
チッ……初めて聞いた時からイライラする声だと前々から思っていたが……姿まで見ると格段にいらいらのLVが違ってるくるってどういうことだよ……。
「まぁまぁ……、そんなに怒らないでよ、姿のことなら隣の彼女に僕は見えてないからさ」
まぁいい……後で話を聞かせてもらおうか。
ふと彼女の方に顔を向けてみると困った顔をしていた。
「あのー……私の顔に何か付いてる……?」
「あ、あぁ……ごめん、ちょっと考え事していたんだ、それでさ……ここどこかな?」
「えぇっと……ここはナーセェル大陸で……ここはその中央にある小さな村よ」
大陸……?父母からそんな話は一切聞いていない……隠していたのだろうか……。 それとも……また何か別の理由があるとか……?
……彼女も若干うろ覚えのような感じが見受けられたが、特に気にしなかった。 今はどこで何が起きてるかなどの情報の方が大切だからである。
「まさか大陸の名前知らないとか……?」
図星を突かれてしまった、仕方が無いので正直に白状することに決めた。
「はは……ごめん……俺記憶ないんだ……。急に聞かれて困ったよね、ごめん……。ッ!?」
今何故かすごく懐かしい物を感じた、初対面のはずなのに……どうしてだろう……?
「!!! そうなの!? すっごい奇遇~!! 私も記憶が全然ないんだ……最近覚えたばっかりで……これだと私こそあんまり役に立てそうにないけどね……。」
というか……ほぼ最初から遠慮無く会話していたのだがまったく違和感が無かった。それは置いておくとして、見た感じは魔道士、なので彼女の方が知識量は大きく上回っているだろう。
……どちらにせよ記憶を失った者同士仲良くできそうだ。
「あ、まずは村の村長に挨拶しにいったらどうかな?私も記憶を失ってからお世話になってるし……まぁ元々らしいけど」
最後の方になにか呟いた気がしたが……きっと気のせいだろう。
彼女としてはやっぱり俺のことを冒険者と思っているのだろうか、父母から冒険者の話はよく聞いていたし、家にあった書物でそれなりに学んでいた。
そういえば冒険者じゃないのなら俺は何なのだろう……とりあえず流浪者としておこう。
「後最近何か悩んでるっぽいのよね。もしよかったら……行ってくれない?」
彼女は下からの目線で誘うように頼んできたので断ることはできなかった。
「……分かった、とりあえず村長の家に行ってみるよ。ところで、名前が知ってた方が呼びやすいんだけど……教えてくれない?」
そういうと彼女は「ニコッ」と笑顔で微笑んだ、案外可愛いな……っと俺は何を考えているんだか……。
「私の名前はストラ=ヴァリアス、よろしくね!」
「俺はローグ=ムーンナイト、とりあえずよろしくな。」
「それじゃあ部屋を返す手続きしてくるね! それまで動いちゃだめだよ」
「ガチャ」とドアを閉める音を確認した後、俺はアンサーがいるか確かめた。無論、あいつは一人で風に当たっていた。
「さてと……アンサー、とりあえず聞きたい事が山ほどある」
案外素直に出てきてくれたのだが、性格は相変わらずのようで「やれやれ」と面倒くさそうに呟いた。
「はぁ……いちいち説明する僕の身にもなってほしいけど……まぁ僕しか知らないだろうからね……。後さ、君が念じる……というか思ってるだけで僕には大体言いたいことが分かるから、別に声に出さなくても良いよ」
え、てことはさっき可愛いとか思ってたのも……。
「あぁ、フフッ全部丸分かりだよぉ? 意外と女の子に弱いんだね~でもそう言う所もいいと思うけど」
……ッ!……ま、まぁいいよ……、で、月の騎士の力って何だよ……。
「あれれ、さっき時間停止中にさらっと説明したはずなんだけどなぁ……まぁ能力は説明してないよね、その点は謝るよ……一つ一つ説明するからそんな怖い顔しないで、ほらほらリラックス!」
話を聞いてるだけでイライラしてくる奴だったが、次の瞬間には口調が変わっていた。
「……まずは月騎士の力の解放の仕方だ、それは簡単で”月の欠片よ光となれ”と頭の中で思い浮かべるだけ、実際試してくれたほうが僕も説明しやすいから頼むよ」
……ふむ、”月の欠片よ光となれ”……!!!
頭の中で言葉を過ぎらせた瞬間、黄金の光が体を包んだ。
しかし外見上の変化はほんの一部でそれ以外はまったく変わっていなかった……が力が溢れてくる。
「やっぱり力がすげぇ湧き出てくるな……言うなら魔力付呪を常にしている感じだな……」
「あぁ……まぁそんな感じだね。原理を説明すると長くなるから……短めで話すよ、魔力はどこから生まれてくるか知ってるかい?」
いや?聞いたこと無いな……父母からも魔力があることぐらいしか教わらなかったからな……。
「この世界の魔力は全て神聖なる世界樹から放出されている、魔法を使うのは簡単だ、その溢れている魔力を吸収し、それを魔力に変換すればいい。そうすることで魔法が使えるようになる……でもこれには欠点があってその吸収できる量は幼少期の時に決まってしまうからね……、君は記憶を失う前の幼少期から”ムーンナイト”の子孫として魔法の吸収量が元から高くになるようになっていたからね」
なるほど……というか”ムーンナイト”ってまず何だ?家の書物を見たけどそんな本は一切無かった……。
「”ムーンナイト”は…………これは上からの命令で明かすことはできないな……」
上……?上司でもいるのだろうか、全ての問の答えを知る者の上司なんて……滅茶苦茶な奴もいるものだ。
「たった一つ言えるのは月騎士変化中は絶え間なく魔力を取り入れ放出できるということ、ただこれも欠点があってね……何だと思う?」
……?分からない、何かが削られるのか?
「一部正解だよ、答えは魔力を吸収、放出の動作を行うたびに生命力をその剣と籠手が削っていくんだ。そしてそれが無くなった時は言い換えれば命が尽きたような状態と言ってもよいだろうね……言い過ぎたかな、でもまぁ大丈夫だろう……、後呪……危ない危ない」
ン?呪い……?
そう言った時アンサーが若干焦った様な素振りを見せたので「おいおい、全てを知ってるんだよな? 教えてくれてもいいよな?」と問うとため息をついて仕方なさそうに喋り始めた。
「……仕方ないな……その正体は月騎士が生まれたときからある呪い、正しく言えば魔力付呪の一部呪化だよ。呪化は対象に呪い……要するに毒とか痺れとかの状態を引き起こすのが今の一般常識っぽいけどね……昔は呪いの儀式に使われたりしてたんだよね」
へぇ……、それにしてもやけに時間かかってるな……まだまだ聞きたいことはたくさんあるけど……今日はここら辺で許すッ!
そう言った瞬間何かめんどくさい話を聞いている気分になった、きっと気のせいだろう。
「おっとっと、上からの命令だ君の側には居させてもらうよ、って言っても君自身”色々な意味”で面白いからいいんだけどねぇ」
色々な意味といわれるとつい怒鳴ってしまった……失敗した。
「色々な意味って何だ色々な意味ってぇ!!……あ、声に出しちゃった……」
そう呟いた瞬間、ドアが開いた。
「い、今のローグ君……?すごい怒ってたぽいけどどうしたの……?」
やめろ……そんな目で俺をみないでくれええええ!!!
「いや、なんでもない、何でもないから!」
「ふーん……怪しいなぁ……まぁいっか、それじゃいこっか!」
危ない危ない……変質者と間違われるところだった……今思ったけど……
何だこのデート状態。
そうして俺は村長の家を訪れた訳だが……。
「ただいま~!」
……これから察せるとは思うが、村長の孫娘として育てられていたようだ。さすがの俺も村長の孫娘がいきなり介護してくれるとは思わなかったし、魔道士っぽい姿をしているものだから……と頭の中で自問自答を繰り返していた。
すると気のよさそうな老人が話しかけてきた、どうやらこの人が村長のようだ。
「おお?そなたが噂の冒険者様かの……!? わしの孫娘が迷惑かけたの……?」
「もう!迷惑なんてかけてないよ!!……まぁちょっと驚かしちゃったし部屋返すのも時間かかっちゃったけどね……」
彼女は少し気まずそうにしていたので話を持ち上げることとする、俺頑張れ。
「ま、まぁそんなことより頼み事って何のことですか?……後僕冒険者なんかじゃないですよ……?」
すると村長はこれでもかと言わんばかりに目を見開いた。
「何と! 腰に剣も提げておるというのに冒険者ではないと申すか! これは妙なこともあるものじゃ……」
どうやら冒険者以外は腰に剣を提げてることなんてないみたいだ、一般市民は護身用に短剣を持っている程度なのだろう。
実際俺がそうだったからという理由もあるが。
「そなた、戦闘経験はあるかの?」
「一度だけですけど……あります。」
「倒した魔物は何じゃ?ここらならウェアウルフやらゴブリンやらが主流じゃが……」
「プラントデーモンです……」
一瞬沈黙が流れそれから二人とも奇妙な物を見るかのような目付きをしてきた。
「「プラント……デーモン……!?」」
「エ……?どうしたんですか……?」
「プラントデーモンって……ランクC級の魔物よ!? そんなの倒しちゃうなんて……あなた何者……!?」
”ランク”という見慣れない言葉が出てきた、次の瞬間俺は
月騎士の強さを思い知ったのだ。
次回はまた戦闘です。
魔法が次回の肝であり、また僕が好きな要素でもあるので頑張りたいと思います。