白月
ひゅうっと冷たい秋の夜風が頬を撫でる。
私はさっき、友達に言われたことを深く考えていた。
「もし、私たちが住んでいる世界とすべてが逆の世界、パラレルワールドがあるならどうする?」
どうもしない。
それが聞かれた時の答えだった。
そして、今も変わらない。
別にパラレルワールドが存在してもどうってことない。
ましてや今、寒空に凛と白く輝いている月がパラレルワールドでは赤い月が輝いている―なんてことがあるのだろうか。
赤い月?不気味だなァ
なんてくだらないことを思いながらマフラーに顔をうずめ一人、道を歩く。
夜の世界は不思議だ。
昼間となんにも変りゃしないのにやけにみんな暗く沈んで見える。
いつもの帰り道でさえ長いと感じてしまう。
「ぽちゃん」
何かが池に飛び込んだ音にさえビクッとしてしまう自分が可笑しい。
暗闇は怖い。
後ろに何かいるのではないか。
何かが追いかけてくるのではないか。
そう思うほど、足早になる。
「ふうっ」
首筋に生温かい息を吹きかけられたような感触がした。
もう耐えきれない。
私は走り出した。
池には赤い月がゆらゆらと嘲笑うかのように浮かんでいた。
二作品目なのにまたグダグダです。すいません^^;