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プロローグ
次の瞬間、ユウマは息を吹き返した。
教室の床――
血は消え、傷もない。
時間は“殺される直前の瞬間”へ戻っていた。
(……戻ってきた……?)
目の前で、いじめっ子のヴィランが刃を振り下ろそうとしている。
そのとき――
『――刃をつかめ。』
頭の奥で、あの声が響いた。
ユウマの体が勝手に動く。
振り下ろされたナイフを、素手で握り――
金属が粉々に砕け散った。
「な……!?」「ば、化け物……!」
恐怖に叫び後ずさる不良たち。
ユウマは静かに立ち上がり、鋭い光を宿した瞳で彼らを見据えた。
「――もう、誰にも負けない。」
拳を振るうたび、床がひび割れ、
ヴィランたちは一人、また一人と沈んでいく。
廊下の教師、警備員、生徒たちが駆け込んできた頃には、
不良グループは全員拘束され、意識を失っていた。
ユウマの胸の奥には、光が静かに脈動していた。




