3/6
第三話◆いじめの果て:ヴィランの牙
ユウマは、教室の隅で小さく息をしていた。
周囲には、VBウイルスに感染して微弱な能力を得た不良たち――“半ヴィラン”が笑っている。
「おいユウマ、今日も無能力者だよなぁ?」
彼らの能力は小石を浮かせる、皮膚が少し硬くなる……その程度。
しかし、弱者を嬲り殺すには十分だった。
逃げられない。
教師も見て見ぬふり。
ヒーローは今日も街で事件処理に追われ、学校にまで目は届かない。
「……やめ……やめてくれ……」
「声が小せぇんだよ、ノーギフト!」
短い悲鳴とともに――
刃が胸へ滑り込む感覚がした。
暖かいものが制服を濡らす。
床に倒れた瞬間、ユウマの視界は真っ白に染まった。




