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死の彼岸  作者: ユキムラ
3/3

出会い、そしてまた出会う

第3話!

死体処理班を呼び、現場検証が開始されたため、2人は車に戻る。

「あんな、いつも言うとるけど死体は取っておけいうとるやろ。」

「別にあの程度のやつならいらないだろ」

「あの程度ってなー…普通に強力個体やで?あいつ」

「…すまん」

正直、何にも情報を持っていなかったから腹いせに燃やしたところはあった。

「とりあえず着いたで」

「ありがとう」

妖能士は「妖能士連盟」に所属し、本部または支部に配属される。新人は基本支部に配属、成果を出せば本部に配属となる。

「しかし、やたら強力個体が増えたよな〜」

「そうだな」

「こりゃ一部のやつしか太刀打ちできない―」

「そうだよな〜、大変だよな〜」

「「!?」」

会話をしていると割り込んできた男が2人の後ろに立っていた。

「なんだ、葉加瀬さんでしたか」

「なんだってなんだよ、おい、せっかく会いに来てやったのによ」

「いやいや、なんであんたここにおんねん!」

「ん?別にいいだろ?てかなんでお前俺のこと知ってんの?」

「この界隈で知らんやつなんかおらんやろ!日本に7人しか存在しない1級妖能士、そのうちの1人、重撃の王、葉加瀬楓樹はかせふうき!!」

「おいおい、べた褒めかよ」

微塵も態度を変えずタバコを吸い始める楓樹の視線は優哉に釘付けだ。

「それで?何のようですか?」

「いや、ただ顔見に来ただけ」

「…」

呆れたような顔を見せる優哉だった。

「いいじゃねぇか、親代わりみたいなもんなんだからよ」

そう、この男―葉加瀬楓樹はあの日、優哉と出会っている。


―(これはまた…)

妖怪が出たという町に出動命令が出たと思ったらこれかよ…

楓樹が見たのは町が丸ごと消し去られたような何もない大地であった。

(どんな大妖怪が現れたんだよ…1級どころか下手すりゃそれ以上…)

それ以上は考えるのをやめた。すると、

「葉加瀬さん!唯一生き残ったっていう男の子が目覚めたようです!」

「OK、すぐ行く」

とりあえずその生き残った坊やから話を聞こうか…

そんなことを考えながら病院へと向かう。

着くとこの土砂降りの中、1人泣き叫んでいる男の子を見かける。

(あいつか…まあ家族を亡くしているんだからそりゃそうだろうな…)

同情するよ、と思いつつ妖能士として事情を聞かずに帰るわけにもいかないので話だけ聞こうと歩みよるが、

(?あいつ、手からなんかでてるな)

よく見ると彼の手から炎が出ている。

(ありゃ妖能の発現か…妖力を感じるからまあ間違いねぇな…)

彼の手の炎を妖能で消し、声をかける。

「こんなところで火なんか出してると風邪ひくぞ」



―「じゃ、俺は任務があるからここまで」

「マジで会いに来ただけなんですか…」

「俺が特に理由もなく行動するのなんか昔っからだろ」

俺のことを気にかけてくれてんのは嬉しい。嬉しいけどちょっと鬱陶しい。

そう思いながら支部長への下へと向かう。

「失礼します、神楽五級能士です」

「やっと来たか、随分遅かったな」

「申し訳ありません」

支部長―七海玄徳ななみげんとくは待ちくたびれたかのような態度で接する。

「まあ良い、早速本題に入ろう。実は先日より本部から妖能士たちにはバディを組ませろとの通達があってな。」

「バディ…ですか?」

「うむ、近年、妖怪どもがかなり強力になってきておる。単独での討伐が困難になってきておっての、そこで二人一組で行動するようにしたのじゃ。」

「なるほど」

「それで、もうお主のバディを呼んでおる。そやつとこれから共に行動するのじゃ。」

「承知しました」

「よし、では入ってこい」

扉から黒く長い髪をくくった美女が入ってくる。手には薙刀をもっている。

「失礼します!月島七級能士です!」

「紹介しよう、彼女が君のバディだ」

月島彩葉つきしまいろはよ!よろしく!」

「…神楽優哉だ、よろしく」

月島っつったら…

思い出そうとしたのを遮るように支部長は指示を出す。

「では早速任務に行ってもらう、バディとしての初任務だ。しくじるなよ?」

「了解」「了解!」


―随分無愛想な男ね…

彩葉は少しがっかりしていた。自分のバディなのだからもっと明るい人だとおもったけど…

優哉の外見自体はかなりいい方だ。女性よりの整った顔立ちに長い髪をしているため、声聞くまでは女だと思っていた。だけど、暗い。自分、不幸ですよみたいな感じではないけれど、人と関わるのを避けようとしているみたい。

(まあでも「爆炎の妖斬り」…この界隈じゃまあまあな有名人だけどまさかバディになるなんて…)

そんなマイナス感情を押し殺し優哉に話しかける。

「ねえ、優哉って妖能なんなの?バディなんだからさ、妖能の共有しとこうよ!」

いきなり呼び捨てされ、優哉は少し驚く。そもそも、もともと女性への耐性は低い。

「「火之夜藝ほのやぎ」」…炎を操る能力だ、炎を相手にぶつけたり、刀に纏って戦ってる」

「へぇ~、さすが「爆炎の妖斬り」って名の通りだね〜。あたしは「鬼人きじん」!妖力を消費して身体能力を底上げするの!けど、あたしは妖力ちょっとしかないから、10分しか使えないの…」

「妖能自体は強いな。けど、肝心の妖力が少ないのか…一般人程度か?」

「いや、それよりも少ないの…」

「なるほど…妖奪者シバラレルモノか…」

これはきついな、長時間戦闘になれば必ず負ける。妖奪者は基本的に妖力が少ない代わりに何らかのの対価を得る。身体能力やIQが高かったりする。聞くと、月島は視力が非常に高いようだ。だがそれよりも…

「ところで…あんたさ、御三家の人間だろ?」

「!?…知ってんだ」

御三家―妖能士の名門の一族。月島家つきしま一条家いちじょう皇家すめらぎの三家が妖能士のリーダー的存在である。その三家からは三級以上の妖能士を大勢出していると聞いたことがある。現在、一級妖能士の中の3名は御三家出身である。

「その御三家の出身…ってことは…」

「まあ…迫害されるよね…実の親にまでずっと罵倒されてきたから…でも私はその程度で折れるほどやわじゃないし!私ね、当主になるのが夢なんだよね!そんで、あんな家ぶっ壊してやるんだ!」

そんな扱いを受けてなお、こんなにも明るくなれるのか…

優哉は少し感心した。自分は過去を受け止めきれずに明るく振る舞えないのに対し、つらい過去を経てなお、これだけ大きな夢を持って立ち向かえるのかと感心すると同時に羨ましく思えた。家を潰すという復讐を醜いものではなく、夢としてみていることに…

「そうか…聞いて悪かったな…」

「いいよ!むしろちょっとスッキリした!誰にも話してなかったしね!それじゃ改めてよろしく!」

「あぁ、よろしくな」

そうして、優哉に相棒バディができた。



なかなかキャラの名前考えるのきつい…

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