距離感と周りの目
「ねぇ!次の部活がない日、ゲームセンター行こうよ。」
「あり。じゃあ来週の水曜な。」
私の名前は乃愛。吹奏楽部に所属している中学生です。で、この隣の雰囲気イケメンが拓真。同じ吹奏楽部の男子。私の中学校の吹奏楽部は部員が少なくて、各学年5人くらいしかいないから必然的に仲良くなった。私の学年は小さい頃から音楽をやってる大雅、天然で癒しキャラの柚愛、拓真、私の4人しかいない。大雅も柚愛も拓真も全員友だちだし、全員で遊びに行くぐらいには仲がいい。
中学生っていうと思春期とかであんまり異性と話さないとか聞いたことあるけど、吹部に入った以上喋らないなんてことはできないから全然感じたことがないんだよね。あと全員他人との距離感が近いタイプでスキンシップとかを何の気なしにするから、同性の友達かと思うくらい壁がない。
「ねぇ乃愛ちゃん。あれ、いつもの距離感なの?」
「いつもの距離感だよ。なんか変なところあった?」
同じクラスの未玖が話しかけてきた。確かに座っている拓真に対してバックハグみたいなことをしながら話しかけたけど、私的にはいつもの距離感だし、全然なにも感じなかったから質問の意図がわからない。
「なんか、距離感近すぎない?拓真くんのこと狙ってる子多いし、あんまり近づきすぎると…ね?」
「友だちと話してなにが悪いの?気にして行動するとかできないし、今から急に態度を変えたら逆に変じゃない?」
「まぁ、乃愛ちゃんがいいならいいんだけど…」
未玖がなにを言いたいのかわからなかったけど、まぁ気にしないことにしようと思う。