表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/30

波乱の舞踏会が幕を開ける


この屋敷で開催される舞踏会のせいで、私は来る連中のことだの、ダンスの踊り方だの、マナーだの、夜な夜な調べまくっては頭に叩き込む日々を過ごしていた。

完全に寝不足だ……

そして、


ーーもう過労死寸前だ!!


冗談じゃねーーよっ!!

なんでこんなことさせられてんだ!!

このなんだか分からん世界にきてから気が休まったことがない!!


しかもとんでもねーー計画を、やたら眼光キツイ女豹アドリアナとバカなレオナルドが立ててやがるし。

ああマジで面倒くさっ!!

マリアンヌにバレないように上手く立ち回ってサラとやらをなんとかしないとな。


❤︎❤︎


ーーそしてとうとう舞踏会の日


ラナや他の侍女達にいつも以上にキラキラした服を着せられ、髪も念入りにセットされ、どこからどう見てもかなりイケてる仕上がりになっている。


クソビッチな私が言うのもなんだがレオナルドは最低なクズ野郎だッ!!

だけどもだ……ガワがいいのは認めてやる。

私はこいつの顔はあまりに整い過ぎててタイプじゃねーーが、大概の女連中は飛び付く見栄えだ。

それは間違いない!!

舞踏会で餌食にされるかもな……気ぃつけとこっ。


ーー私は女なんだッ!!


戦闘モードで屋敷の大広間へ行くと、いつも以上に美魔女っぷりが増し増しなエリザベス母ちゃんと、これまたいつも以上にダンディーっぷりが上げ上げなアーノルド父ちゃんがいた。

何もせんでも整いまくってるもんに手を加えると、ハンパないクオリティーの高さに仕上がるんだなぁ。

やっぱすげーー血筋だ……恐るべしスタンフィールド家。


『レオナルド、素敵じゃない』


『ありがとうございます。母上も素敵ですよ』


『まぁ、ありがとう。ウッフフ』


エリザベス母ちゃんの美魔女スマイルが輝いてるわ〜〜。

それにしても、私がこんな喋り方してるの知ったら母ちゃん間違いなくひっくり返るなっ。

いつも言葉遣いをガミガミ言われて怒られてたもんなーー。

自分でも鳥肌立ってるわっ。


『そうそう、さっきアドリアナがあなたを捜してたわよ』


ギクッ、、


『そうですか…… わかりました。アドリアナを捜しに行って来ます』


『そうしてあげてちょうだい』


やっぱ忘れてねーーよな。

あの女も必死だな。


あーーどうしたもんだか。

どこに行ったんだ女豹アドリアナ……


『レオナルド様〜〜♡』


『はい……?』


めーーちゃ派手派手な女が甘ったるい声でレオナルドの名を呼びながらこっちへやって来る。


なんだこの女……?


ブロンドヘヤにデカパイ強調しまくりドレス着て、世界中で大人気のお色気女優マリリン・モンルーに激似だな。

口元のホクロまでマリリン・モンルーとおんなじじゃん。

色気ムンムンに放ちまくって、自信たっぷりに自分を見せつけてやがんなーー。


ーーこの女は一体誰なんだ?


『本日はご招待していただきありがとうございます〜〜。アドリアナ様からレオナルド様のお気持ちを聞けて嬉しく思っております〜〜ウフ♡』


ーーサラだッ!!!!


こんなに早くご対面することになるとは……。

レオナルド、お前のタイプはめっちゃ分かりやすいな!!

マリアンヌとは正反対じゃんかよ。


『えーーっとそのことなんだけど……人目があるから別の場所で話そうか?』


『は〜〜い!!』


イヤってくらいに張り切ってる感がビシビシ伝わってくるんですけど……。

デカパイ押し付けて腕組んでくるし。

マリリンモンルーサラよ、私に色仕掛け使っても無駄だからな!!

正真正銘中身は女ですからッ!!


ーーはぁどう言って話すかな……


マリリンモンルーサラを連れ、大広間を出たその時だった、


『レオナルド様……?』


着いたばっかのマリアンヌと鉢合わせてしまった。


真横にはベタベタと引っ付いてるマリリンモンルーサラ、そして真ん前にはマリアンヌ。


ヤバッ、、どうすんだ……この状況……どうすりゃいいんだ……?

上手く立ち回るどころか早々にバレてんじゃん!!


焦りまくって思考停止状態に陥り突っ立ったままでいると、マリアンヌが虫の息声で話しかけてきた。


『……私は大広間にいてますので……』


『あ、あぁ、ま、また後で……』 


なにしどろもどろになってんだ?

まるで私が二股かけてるみたいじゃんか!!

いつの間にやら三角関係の当事者になってるし……いやいや、


ーーそもそも私は女なんですけど……。


でも……さっきすれ違って行ったマリアンヌの顔が沈んでるように見えたよな……


ーーすんげぇ罪悪感が。


なんで私がこんな目に……それもこれもバカでクズなレオナルドのせいじゃん!!

この男がマリリンモンルーサラと舞踏会でよろしくヤろうとしたがために、私は今こんなにも苦労してんだッ!!


それなのになんで私がマリアンヌを裏切ってるみたいになってんだよ。


マリアンヌ、安心しろ!!

私がレオナルドでいる限り、私はマリアンヌを傷つけるようなことはしない!!

誰とも浮気もしない!!

マリリンモンルーサラとよろしくヤったりもしない!!


ーー何故なら私は女だからだッ!!



















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ