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多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第一章 外交とかつての仲間達

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出発、ベルギーへ

テイルがアレックス達の事を思い出していた頃、会談場所の近くの飛行場の滑走路ではアメリカ政府専用機の発進準備とアレックス達による警備が行われていた。


「発進準備はどれぐらいで終わるんだ?」


「あと五分程だそうです」


「あと五分か。…今のところは襲撃してくる者はいないな」


「ここに襲撃してくるアホなんかいないでしょう?」


「…わからんぞ。フェリアシティ王国女王達を襲撃したアホがいるからな…」


「…ああ、いましたねぇ、そんなアホが…」


「だろう?だから警備の手を抜くわけにはいかん。警戒を怠るなよ?」


「了解です、隊長!」


アレックス達はこのような会話をしながら警備を行っていたのである。

その一方でテイル達は滑走路に向けての移動を始めており、NATOの会合には出席しないと言った義仁天皇も滑走路に向かっていた。

これにテイルやジェームズ皇帝は、


「警備上の問題が色々とありそうなんですが大丈夫なんですか…?」


と、問い掛けたりしたのだが、義仁天皇は、


「警備の方達はなんとかなりそうなので心配なさらなくても大丈夫ですよ。それよりも大切な会合に参加する皆様をせめてお見送りだけでも行わなければと思いまして…」


と、言って滑走路にまで出てきたのであった。

これにテイルは松本総理と十倉寺司令に、


「…あの、陛下のあれは大丈夫なんですか…?」


と、尋ねたのだが、松本総理と十倉寺司令も、


「…一応あれが陛下のやり方ですから…」


「…非常事態が起きるかもしれないので下がっていてくださいとお願いもしているんですが…」


と、言って半ば諦めに近い言葉を口にしたのであった。

これにテイルは、


「…そ、そうですか。それならわかりました。…でもお二人は大丈夫ですか…?」


と、言って松本総理と十倉寺司令の心労を心配したのである。

これに松本総理と十倉寺司令は、


「「…もう慣れました…」」


と、声を合わせて死んだ目で遠くを見ながら呟いたのであった。

これにテイルは、


「…ご、御愁傷様です…」


と、言って二人を労ったのである。

そうしているうちにアメリカ政府専用機の近くに到着したテイル達は順番に政府専用機に乗っていき、最後にジャンが乗ったところで義仁天皇が政府専用機に手を振る中、政府専用機がゆっくりと発進、離陸していったのであった。

その政府専用機に続く形でアレックス達も彼等のマシンアーマノイドに搭乗して政府専用機を囲む形で編隊を組むと新生NATO本部があるベルギー、ブリュッセルに向けて出発していったのである。

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