《NATO軍の疑惑と、テイルの考え》
テイルからパーチェに関する追加情報を聞くことになったNATO軍将兵一同だったが、それですぐに彼らの不安が払拭されることはなく、相変わらず不安そうな表情を見せていく。
そんなNATO軍将兵一同の表情を見て苦笑いを見せていたテイルだったのだが、突然苦笑いを止めると、NATO軍将兵一同のいる方向とはまったく別の場所に目を向けていった。
「……む、むぅ……」
「そ、そのように言われても、いきなりその言葉をすべて信じることは……」
「難しい、ですか……?」
「……え、ええ……」
「そ、そうですね……」
「あははは……う~ん……どうしようかな……あれ? これは……?」
「……うん? テイル陛下?」
「……どうか、なさいましたか……?」
「……これは、きましたねぇ……」
「えっ?」
突然テイルから発せられた謎の言動に、NATO軍将兵一同がわけもわからず困惑していく。
そんなNATO軍将兵一同にも伝わるように、テイルは自身が行った謎の言動についての説明と、これからなにが起きるかをNATO軍将兵一同と、それ以外の自身の仲間達にも話し始める。
「NATO軍将兵の皆さん、もうそろそろモンゴル軍がここにきますよ」
「……え、ええっ⁉ モ、モンゴル軍が、来る⁉」
「ええ、間違いありません。あちらの方角から、この最終防衛ラインに向けて進撃してきています」
「……そんな……」
「こ、こうしてる場合じゃない! すぐに迎撃準備を始めないと……!」
「皆さん、少しだけ待ってください。私にモンゴル軍撃破の秘策があります」
「……本当なのですか? 我々はまだ信用できていないのですが……?」
NATO軍将兵一同に、モンゴル軍の襲来が近いと話していくテイル。
こうしてモンゴル軍との戦いが近いと知ったNATO軍将兵一同が、慌てて防衛戦の準備に向かおうとしたところで、テイルがNATO軍将兵一同に待ったを掛ける。
そんなテイルに対してNATO軍将兵一同は露骨に不満を口に出していくのだが、テイルはこの反応を軽く無視する形で対モンゴル軍の秘策を話していった。
「まずNATO軍将兵の皆さんと私達ですが、全員で空を飛び、空中でモンゴル軍の襲撃に備えていましょう」
「……え? 全員で、空に……?」
「はい、そうです」
「……い、いやいや、待ってくださいよ⁉ 我々全員が空にいたら、誰がモンゴル地上軍の進攻を食い止めるのですか⁉」
「ふふ、皆さんご心配なく。モンゴル地上軍を食い止めるものはちゃんといますよ」
「……え……?」
「……ま、まさか……」
「ええ、そのまさかです。モンゴル地上軍を食い止める役割は、パーチェに任せます」
テイルはこのように話すと、ニヤリと笑ってみせた。
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