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多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第一章 外交とかつての仲間達

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アメリカでの首脳会談 その一

遅くなりました…。

ごめんなさい…。(土下座)

座らせてもらったテイルは出されていた紅茶を一口飲むと、


「…それでは始めましょうか。まずは何から話し合いますか?」


と、言ってジェームズに尋ねたのである。

その言葉にジェームズは、


「そうですな…まずはフェリアシティ王国の亡命政府をアメリカ国内に作りたい、という話題から始めましょうか?」


と、答えたのであった。

これにテイルは、


「最初からその話題を出していただけるとは、大変嬉しく思います。それでは始めましょう。陛下は亡命政府の件はどうお考えでしょうか?」


と、言って、ジェームズに尋ねたのである。

これにジェームズは、


「…我々としましても三年前の事件を思えば亡命政府を認めたいとは考えています。ですがアメリカ国民は三年前の事件の真相を知りません。その状況で亡命政府の設立を認めれば必ず反発が起きるでしょう。そうなれば共産軍が嬉々として動き出す…。…それだけはどうしても避けたいのですよ」


と、話して遠回しに断ったのである。

それにテイルは、


「…あまり回りくどい事は苦手なので単刀直入に言いましょう。フェリアシティ亡命王国を許して下さるならフェリアシティ王国軍はいつでもジェームズ陛下の命令でどんな場所でも、どんな相手とでも戦う事を約束します」


と、言って亡命政府設立を許してくれた時の見返りを話し始めたのであった。

これにジェームズは、


「…え?」


と、一言発する事しか出来なかったのだがテイルは続けて、


「さらに新型戦闘であるアークワイバーン級戦艦とマシンアーマノイドワイバーンタイプの戦闘データをアメリカとNATO諸国に提供しましょう」


と、さらなる見返りを約束したのである。

するとこれにジェームズは、


「い、いや、待て!ちょっと待て!その見返りは確かに嬉しいがやり過ぎではないか!?」


と、言ってテイルの話した条件に驚きの声を上げたのだがテイルは、


「何が何でも成功させなければいけない交渉ですからね。最初から最大の武器を使うのは当然の事でしょう」


と、平然と答えたのであった。

これにジェームズは、


(最初の作戦といい、今といい押され過ぎている…。なんとか流れを持ってこなければ…)


と、考えて、


「そうですか…。ですが私が魔王軍に攻め込んでほしいと言えば攻め込んでくれるのですかな?」


と、少し意地の悪い質問をしたのだがテイルは、


「それがジェームズ陛下の要請ならば。ですがその要請は無いと確信しております」


と、はっきりと断言したのであった。

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