《パーチェ到着》
自身の言動で素直に喜ぶケインに、テイルもだんだんと苦笑いから普通の笑い方に変わっていった。
そうして通信をしながら笑い始めたテイルに、アーシアが声を掛けてくる。
「ふふ……あはははは……」
「……うん? あっ、ねえ、ちょっとテイル!」
「うん? アーシア? 申し訳ありませんケイン提督、なにか起こったみたいですから、これで通信を終わらせたいのですが……」
「わかりました、テイル陛下。それでは次は祝勝会の席でお会いすることといたしましょう」
「ふふ、そうですね」
「ええ。それではテイル陛下、どうか御武運を……」
「ありがとうございます、ケイン提督。提督も、どうか御武運を……」
アーシアに話し掛けられたことでケインとの通信を終わらせたテイル。
そうしてテイルはアーシアに振り向くと、なにが起きたのかを尋ねていった。
「……さてアーシア、一体なにが起きたのかしら?」
「パーチェちゃんとフェイトが来たわ。交代は完了だね」
「お、来たか……おお、見えた見えた」
アーシアの言葉に喜んだテイルが、最終防衛ラインに向けて飛んでくるパーチェとフェイトの姿を視認する。
その一方で、テイル達の姿を視認できたパーチェとフェイトも、笑顔でテイル達手を振ってきた。
そのままパーチェとフェイトはテイル達の元まで飛んできて、テイル達の元に着陸して声を掛けてくる。
「……お待たせいたしました、お姉様!」
「ええ、待っていたわ、パーチェ。それからフェイト、パーチェをここまで連れてきてくれて、ありがとうね?」
「あなたのお願いを聞いただけなのだから、そんなに感謝してこなくても大丈夫なのよ、テイル?」
「それでもちゃんとお礼の言葉は伝えないとね。さてパーチェ、あなたには対モンゴル軍戦の決戦兵器になってもらいます。良いわね?」
「は、はい。でもお姉様、具体的にはどんなことをすれば良いのですか?」
「それはね……ひそひそ……」
テイルから期待に満ちた言葉を掛けられたパーチェは、その期待に圧倒されながら自分はなにをすれば良いのかを尋ねてきた。
これにテイルは他の誰にも情報が漏れないよう、パーチェに耳打ちで話していく。
「……なるほど……つまりいつも通り、ということですね、お姉様?」
「そういうこと。任せても大丈夫ね、パーチェ?」
「……はい、大丈夫です!」
テイルからモンゴル軍戦での自身の役割を聞かされたパーチェは、ほんの少しだけ考えたあとで、力強く返事をしていった。
これにテイルも、笑顔でパーチェの手を握って喜んでいく。
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