《テイル一同、最終防衛ラインへ》
フェイトにパーチェ到着後のサポートを頼むことに成功したテイルは、グレノスキー国王に挨拶をしたあとで、先に玉座の間から出ていっていたNATO軍将兵達のあとを追って、玉座の間から出ていった。
「さて、パーチェのことをフェイトに任せることができましたし、私達はそろそろ最終防衛ラインへ向かうことにしましょうか?」
「……そうだな。テイルがどのような作戦を考えているのかはわからないが、その作戦が始まる前にNATO軍がモンゴル軍に蹴散らされることは避けなければいけないからな」
「……ああ、ふむ……その問題もあるのか。それなら急いで行かないとね。と、いうわけですので、グレノスキー陛下」
「うむ、テイル陛下」
「我々も最終防衛ラインに向かいます。そこでモンゴル軍を撃退、最低でも追い返したいと思います」
「……うむ、頼みました」
「はいっ! じゃあ皆、行きましょう!」
「ああ!」
「ええ!」
「うむ、良かろう」
「了解です、マスターテイル」
自身の声掛けにジャンやアーシア達が応じてきたことを確認したテイルが玉座の間から駆け足で出ていく。
そんなテイルに続いてジャンやアーシア達もグレノスキー国王に挨拶をしたあとで玉座の間から出ていき、そのまま最終防衛ラインへと向かっていった。
「……ここが最終防衛ラインですか、予想していたよりも殺風景なところですねぇ……」
最終防衛ラインに到着し、その光景を見たテイルはそのような感想を口にする。
そんなテイルにジャンが声を掛けていく。
「無茶を言うなよ。最終防衛ラインにまで追い込まれるのは全員が予想外だったんだから」
「……そう言われてもねぇ……最悪の事態を想定して動かないのは問題だって言われることもあるんだよ?」
「……それが今だ、と?」
「そういうこと……さて、モンゴル軍が攻め込んでくるのが先か、パーチェが到着するのが先か……どうなるかな……」
テイルはジャンの言葉に答えながら、モンゴル軍とパーチェのどちらが先にこの最終防衛ラインにやってくるかを予想し始める。
そんなテイルの元にケインからの通信が行われた。
「……うん? テイル、通信がきていないか?」
「え? あ、本当だ。誰からだろ……あ、ケイン提督からだ」
「……ケイン・ファルネウス……提督、が……? 一体どうして……?」
「……まあ、話してみればわかるでしょう……はい、こちらテイルです。何事かありましたか? ケイン提督?」
「いや、なに、お互いに勝って、勝利の美酒といきたいところですな、と思いまして……」
「……もう、勝った気でいる、と?」
「当然です。海戦で私が負けることなど有り得ませんからね」
「……く、くく……ふぅ、わかりました。お互いに勝って、勝利の美酒といきましょう」
「! ありがとうございます!」
ケインは自身の提案をテイルが受け入れたことに喜んだのである。
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