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多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第二章 冒険と新たな仲間達

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《作戦内容は話せない》

自信満々の言動をするケインに、グレノスキー国王がどのようにしてロシア海軍黒海艦隊を撃破するつもりでいるのか、その方法を教えてほしいと頼んでいく。

しかしケインはこのグレノスキー国王の頼みを、スパイに情報が漏れる可能性を指摘して断っていった。


「……ケイン提督、黒海艦隊を撃破するのが容易いことと言われるのであれば、その方法を教えてはもらえないかな?」


「はっはっは、グレノスキー陛下、申し訳ありませんがその要請はお断りさせていただきますよ」


「……え? 断る?」


「ええ、断ります」


「り、理由は?」


「どこに共産軍のスパイが潜り込んでいるかがわかりませんからね。情報漏洩の危険性を考えて、お断りさせていただきます」


「む、むう……」


ケインの返答を聞いたグレノスキー国王が唸りながら動きを止めたところで、今度はテイルがケインに声を掛ける。


「ふむ、なるほど。情報漏洩の危険性があるから話せない、と。ふむ……」


「うん? どうされました、テイル陛下?」


「そういうことなら私一人だけに、耳打ちという形で話してもらえませんかね? 絶対に誰にも話さないので……」


「……ふむぅ、テイル陛下だけに、ですか……ふむぅ……」


こうしてテイルはケインに対して、自分だけに情報を話してほしいと訴えていく。

これにケインは少しの間だけ考えたあとで、テイルの要請も断ってきた。


「……どうでしょうか?」


「……申し訳ありません、テイル陛下。陛下であってもやはり話すことはできません。どうかお許しください」


「ふむ、そうですか……仕方ありませんがわかりました。諦めることにします」


「本当に申し訳ありません、テイル陛下……」


「まあ大事な作戦が敵に筒抜けになる可能性はすべて潰さなければ安心できませんからね。私達も謎の情報漏洩で一度国が滅びたので、ケイン総司令の心配はよくわかります。ですから総司令が謝ることはありませんよ」


「……そうですか……そのように話していただけること、大変嬉しく思います、テイル陛下」


「ふふ、そんなに丁寧に謝らなくても大丈夫ですよ、ケイン総司令」


テイルが自身の言葉に納得して作戦を聞くことを諦めてくれたことにケインは感謝の言葉を述べていく。

そんなケインにテイルが気にしないで良いと声を掛けていくとケインは、グレノスキー国王の表情を見ながらそろそろ出撃すると、玉座の間にいる全員に話していった。


「……そうですか……わかりました、ありがとうございます、テイル陛下……それでは皆さん!」


「うん?」


「ケイン総司令?」


「そろそろグレノスキー陛下の表情が険しくなってきましたから、出撃しようと思います」


「むっ!」


「むう……」


「それでは皆さん、そういうわけですからこれで失礼させていただきます」


ここまで話したケインは、すぐに玉座の間を後にする。

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