《第二防衛ラインでの出来事》
第二防衛ラインを守備するNATO連合軍とモンゴル軍との戦いに参戦したジェーン達。
そのなかでリノ達はマシンアーマノイドを持っていなかったということで、地上に降りて負傷者の救助をし始めた。
「……ひどいな……怪我人が多すぎて一体誰から助けていけばいいのか……」
「リノさん、怪我人は全員私の元に連れてきてください」
「え? えっと、フェイトさん? それはどうして……?」
「私は治癒魔法の使い手ですからね。怪我人の治療はお手の物なんですよ」
「なるほど、それでですか!」
「ええ。ですからできるだけ急いで。さすがに死者蘇生はできないですから……」
「わかりました! 皆行くよ!」
「はい!」
「おうさ!」
フェイトの指示を受けたリノが、元部下達に指示を出す。
これを受けた元部下達が怪我人を連れてくるために駆け出していく姿を見届けたところで、リノも怪我人を連れてくるために駆け出していった。
こうしてリノ達が怪我人達の救助に向けて行動し始めた頃、ジェーン達はモンゴル空軍と激しい戦いを繰り広げていたのである。
「ちっ、敵の動きが良い!」
「個人個人の戦闘力が高いことに加えて、部隊での戦い方も洗練されている!」
「くっそ、褒めたくないけど、地球最強クラスの軍、っていう評価は本物だぜ!」
苦戦しながらもなんとかモンゴル空軍と互角の戦いを繰り広げるジェーン達。
そんなジェーン達に、NATO連合軍が撤退を始めようとしている、という情報がフェイトから伝えられる。
「……む? 通信?」
「うん? ジェーンさん?」
「フェイトからだ。どうしたフェイト? こちらは今少々忙しくてな、できれば手短にしてもらえると助かる」
「そんな悠長なことを言っている場合ではありません!」
「え? フェイト?」
「先ほど治療した怪我人から、NATO連合軍が第二防衛ラインからの撤退を検討し始めた、という情報を聞きました!」
「なにぃ⁉ 撤退だと⁉」
「はい! ですからジェーンさん、ジェーンさん達も状況判断はお早めに! でないとこの第二防衛ラインに取り残されることになりますよ!」
「あ、ああ、情報提供感謝する。そっちも手遅れになる前に、撤退するなら撤退しろよ?」
「ありがとうございます。それでは」
「ああ、それでは」
互いに撤退判断は早めにするようにと声を掛け合ったところで、ジェーンはフェイトからの通信を終わらせていく。
ジェーンはそのすぐあとでモンゴル空軍と戦っているNATO連合軍の動きに目を光らせていった。
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