《帰還前に、ポーランド国王への報告》
元怪盗団員全員の自己紹介が終わったところで、テイルは次の予定としてポーランド王ヨハネスに様々な報告をしに行くことを提案していく。
この発言にリノ達元怪盗団員は顔面蒼白になっていき、ジェーンやアーシア達はそうだな、そうするか、ぐらいのテンションでテイルの提案に同意してきた。
「……よし、これで全員の自己紹介が終わったね」
「……さ、さすがに長かったぜ……」
「まあ、二十人以上いたしなぁ……」
「それでテイル、これからの予定はどうするんだ?」
「そうだねぇ……まあこの国の問題も解決したことだし、アークワイバーンに帰るぐらいかなぁ……」
「そうかぁ……それなら帰り支度をしていかないとなぁ……」
「そうだね……あっ!」
「うん? どうしたんだテイル? 急に大きな声を出して?」
「いや、ヨハネス陛下に虚偽を含めた報告をしておかないといけないことを、危うく忘れるところだったと思いまして……」
「いや、それは忘れちゃ駄目なことだろう……」
「それにポーランド国王に虚偽を含めた報告って……」
「虚偽報告は駄目だろ……なんでそんなことをしようと思ってるんだよ……」
「……というか、やっぱりポーランド国王に会いに行くんですね……」
テイルの発言にアーシア達がドン引くなか、テイルがそのように発言した理由を説明し始める。
「それはそうでしょ。だって輸送部隊員達と約束したんだし」
「……うん? 約束……?」
「輸送部隊員達と……?」
「ええ。今回の騒動が、共産軍や魔王軍の攻撃ではなく、リノさん達みたいな未成年だけの半分民間人の怪盗団にボロクソにやられて、恥ずかしさのあまりに虚偽報告をしていた、という国王にバレたら即処刑にされるような事案を国王には絶対に報告しない、という約束を交わしたんです」
「……ええ……」
「……それで? 見返りはなににしたのじゃ? テイルや?」
「うん?」
「テイルほどのものがなんの見返りもなしにそのような約束をするわけがあるまい。必ずなんらかの見返りを得ているはずじゃ。違うか?」
「さすがはリュー、鋭いね。その通り、見返りをもらったよ」
「やはりな。それで? どのような見返りを得たのじゃ?」
テイルの話からテイルが輸送部隊員達となんらかの取り引きをしたと考えたリューネルンが、その取り引き内容を話せとテイルに迫っていく。
これにテイルは悪い笑顔を見せながら話していった。
「簡単だよ。リノさんや怪盗団員全員をフェリアシティ王国の兵士として連れていくことを認めろ、と。できないようならヨハネス陛下にすべてバラすと脅迫して」
「……そ、そうだったか……」
「……やっぱりエグいな……」
テイルから見返りの内容と、その時に行われた脅迫の内容を聞いたアーシア達は、再度ドン引いていく。
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