《ポーランド軍輸送部隊、脅迫》
完全に絶句してフリーズしたポーランド軍輸送部隊員達に対し、テイルはさらに言葉を続けていく。
「ね? 一撃必殺の言葉だったでしょう?」
「……う、うぅ……」
「さあどうしますか? 私の提案を無視して国王にすべてを報告されるか、それとも私の提案を受け入れて怪盗団の秘密を私達と共有するか。どちらか好きな方を選んでください」
「む、むぅむぅ……」
「……さあ、どちらにしますか……?」
「……わかりました……」
「わかりました? 駄目ですね、それでは返答になっていませんよ? もっとしっかり答えてもらわないと」
「わかりましたよ! 認めます! その怪盗団は全員をフェリアシティ王国の兵士として連れて帰ってくださいよ! ただし秘密は共有ですからね⁉」
「ははは、わかっていますよ。秘密は共有、約束です。絶対に誰にもバラしませんから安心していてください」
こうしてテイルの脅迫に屈したポーランド軍輸送部隊は、怪盗団員全員の身柄をフェリアシティ王国所属の兵士にすることを認めさせらてしまう。
これにポーランド軍輸送部隊員全員がぶちギレながら、テイルに約束を守るように詰め寄っていく。
「……お願いしますよ⁉ 約束ですからね⁉ 約束しましたからね⁉」
「わかっています。そちらこそ約束ですよ? 今からフェリアシティ王国軍に所属することになる兵士達の出自が怪盗団で、しかも裏取り引きが行われた結果なのだという事実は極秘事項で、そんな事実はこの世に存在しない。良いですね?」
「……わかっていますよ……約束です……」
「よろしい。その約束が守られるなら、私達も必ず約束を守ります」
「……お願いします」
「ええ」
こうして輸送部隊員達と互いに約束を交わし合ったテイル。
するとこの処置に満足そうに頷いたテイルとジェーンは、そのまま元怪盗団一同にフェリアシティ王国軍にようこそ、と言って挨拶を行う。
「これで今のところはすべて良し。あなた達も新しい人生を始めることができますよ」
「……ほ、本当ですか? 本当に、あたし達は新しい人生を始めることができるんですか……?」
「ええ、彼らポーランド軍輸送部隊にも話した通り、私達は約束を破りませんからね。そうですよね、ジェーン姉?」
「ああ。だが先に言っておく」
「……うん?」
「え?」
「私は厳しいぞ。ビシビシ鍛えていくつもりでいるから、覚悟はしておけよ」
「ええ……」
「はは、相変わらずですね、ジェーン姉。まあジェーン姉のところが無理なようなら他の艦隊に配属するだけですから、それほど気にしないでいても大丈夫だからね」
「は、はあ……」
「まあとりあえず、ようこそフェリアシティ王国軍へ」
「私達は君達を歓迎する」
「……はい!!」
テイルとジェーンの歓迎の言葉に、元怪盗団一同は力強く返事をしていった。
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