《決着、ジェーン対お頭》
「ほらな? 余裕だっただろ?」
「……そんな馬鹿な……」
すべての銃火器類を破壊された怪盗団一同が、呆然としながら破壊された銃火器類を見つめているところにジェーンが声を掛けていく。
そんなジェーンの言葉に反応できないほど動揺していた怪盗団一同の様子を見たジェーンは、お頭に話し掛けていった。
「……ふむ、ショック過ぎて反応できないか……それならお頭に話すだけだな。おいお頭」
「……馬鹿な……どうして……」
「おいお頭! まさかお前も聞こえてないのか⁉」
「……へ……? あ、ああ、なんだよ……?」
ジェーンの問い掛けに最初はまったく反応できなかったお頭だったが、一回目の問い掛けよりも大きな声で行われた問い掛けで反応していくと、ジェーンは改めての降伏勧告を行う。
「もう降伏したらどうだ? 武器もなくなったし、勝てないってわかっただろう?」
「……う、ぐ、ぐ……ぐああーー!!」
「……はあ、やれやれだな……」
またもや行われたジェーンの降伏勧告に、お頭は発狂しながらジェーンに飛び掛かってくる。
そんなお頭の行動に溜め息を吐いたジェーンが、冷静にジェーンの腕を攻撃して鉄パイプを落とさせると、お頭の額にデコピンを食らわせていった。
するとお頭は短い叫び声をあげながら複数回激しく転がって壁に激突していく。
「うがあーー!!」
「……ほいっと。これで素手だな」
「へっ⁉」
「ほれ、これでどうだ?」
「……え? ぶげっ⁉」
「おお、予想していたよりも激しく転がっていったな。大丈夫か、お頭?」
「……ぐ……うう……」
「……あ、ああ……」
予想以上に激しく壁に激突したお頭を、不安に思ったジェーンが声を掛けていく。
それにすぐ返答できないお頭の姿を見た怪盗団一同は、その場にへたり込んでいった。
するとその光景を見たお頭は、自身の心が折れる音を聞くことになった。
「……わかった……」
「うん? お頭?」
「……負けだ……あたしの負けだ……」
「……ふう、ようやく降伏する気になったか……」
「……ああ。だから、その……みんなのことはなんとか、見逃してくれないか……? 頼む、この通りだ……」
「お頭⁉」
降伏を決意したお頭が、部下だけは助けてほしいとジェーンに頼み込んでくる。
そんなお頭の言動に部下達が驚きの声をあげるなか、ジェーンはテイルにお頭の頼みを聞き入れるかどうかを尋ねていく。
「……どうする?」
「そうですねぇ……どうしましょうか?」
「お頭だけを連れて帰っても部下達が好き勝手に暴れそうだしなぁ……」
「そうなんですよねぇ……うーん……」
お頭の頼みを聞き入れるかどうか、テイルとジェーンは頭を悩ませることになった。
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