《ジェーン、お頭を圧倒していく》
お頭の攻撃を簡単に受け止めたジェーンは、ニヤニヤしながらお頭に声を掛けていった。
「ほらな? 意味がなかっただろ?」
「くっ……馬鹿な⁉」
ジェーンの言葉にお頭は動揺しながらも鉄パイプを取り戻そうと激しく暴れていく。
そんなお頭の様子を相変わらずニヤニヤしながら見ていたジェーンは、お頭が全力で鉄パイプを引っ張ってきた瞬間、パッと手を離して鉄パイプをお頭に返していった。
するとその瞬間、突然鉄パイプを離されることになったお頭がその反動で後方に吹き飛ぶような勢いで転がることになる。
そんなお頭にジェーンは、まだ戦いを続けるのか? と尋ねていく。
「ほらほら、どうした? もっと全力で引っ張らないと、この鉄パイプを取り返すことはできないぞ?」
「ちっ、うるせえな! いちいち余計な口出しをしてくるんじゃねえよ!」
「うん? 余計だったか? それは悪かったな。なにせ全然力を入れなくても取り返される気配を感じないものだからな」
「うるせえって言ってるだろ! 見てろよ、すぐに取り返してやるからな!!」
「おお、そうか。じゃあ、そうだな……頑張れ、頑張れ」
「……うるせえって言ってるだろ⁉ それに応援するぐらいならさっさと離せ!!」
「はははっ、そうか……ほいっと」
「……へっ⁉ うわあっ⁉」
「ん? あれ? 離せって言われたから離したんだが、離せない方が良かったか?」
「……う、うるせえよ……」
「……なあ、そろそろ止めないか? これ以上やってもお前達に勝ち目はないんだからさ?」
「……うるせえ!!!! お前らやっちまえ!!!!」
ジェーンの問い掛けに対してぶちギレる、という方法で回答していったお頭がそのまま部下達に指示を出す。
するとここまでの時間で回復して行動できるようになっていた部下達が、それぞれに銃火器を持ち直していつでも射撃可能な状態になっていた。
その状況を見たお頭は今度こそ勝ったと確信したのだが、ジェーンはこれまでと一切変わらず一瞬で対処していく。
「……うん? あれ? タイマンだったのでは?」
「へっ、そんなの知ったことか! 勝てば良いんだよ勝てば!」
「意地汚いな……まあ嫌いではないが……」
「そんな余裕を見せてる場合じゃねえだろうが! 終わりだよ!」
「お前達がな」
「……え? ……なっ⁉」
「うわっ⁉」
「げえっ⁉」
「なにぃっ⁉」
余裕しかない、というジェーンの言動に首を傾げていたお頭を含めた怪盗団メンバー一同だったが、直後に部下達が持っていたすべての銃火器が破壊されたことでなぜジェーンが余裕だったのかの答えを知ることになった。
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