《マガジンの返却》
まるで野生動物のように騒ぐお頭の姿を眺めながら大爆笑していたジェーンとテイルは、これほど笑わせてもらったのは久しぶりだったとお頭に伝えていく。
これを聞いてさらに怒りが増していくお頭だったが、そんなお頭にジェーンとテイルが笑わせてもらったお礼だと言って、マガジンを投げ渡していった。
「ムキーーー!! ウガーーー!!」
「あっはっはっ!!」
「ぶわっはっはっは!!」
「ウッギーーー!! グガーーー!!」
「ひーっ! ひーっ!」
「だ、駄目だ! このままじゃ笑い死ぬ!!」
「そ、そうですね、ジェーン姉!」
「ああ! おいお頭! もう騒がないでくれ!! それ以上はこっちが笑い死ぬ!!」
「うるせー!! 好きで騒いでるんじゃねぇんだよ!! それにお前らが死ぬならこのまま騒ぎ続けてやるよ!!」
「ええ⁉ 勘弁してよ!!」
「あ、そうだ!! 叫ぶのを止めてくれたらこのマガジンを返すよ!」
「……なに? マガジンを返す?」
「そうそう! だから止めてよ! お願いだから!」
「……そうか……しかしそれは絶対に破られない約束なのか……?」
「破られない約束に決まってるでしょ? 私達はあなた達とは違って嘘つきじゃないんだから」
「うぐぅ……」
「それでどうする? 止めるのか、止めないのか?」
「……止めるよ! 止めるからマガジンを返してくれ!」
「了解。それじゃあ返すけど、今度こそ撃たないでよね?」
「もちろんだ!」
「……ほい。約束は守れよ? 守らなかったらその時は……」
「どうするつもりだよ、撃てぇ!!」
「おおーっ!!」
マガジンを返してもらったところでジェーンとの約束を秒で破り、部下達へジェーンとテイルに発砲するように指示を出していったお頭。
その指示に応じ、マガジンを装填して今度こそ発砲できるようになった銃火器の銃口をジェーンとテイルに向けていく部下達。
こんな怪盗団メンバーのやり取りを眺めていたジェーンとテイルは、軽く目配せをしたあとで怪盗団メンバー一同に声を掛けていった。
「やれやれ、やっぱり撃ってくるのか、ワンパターンだな」
「ですねぇ。それじゃあまたお願いしますね、ジェーン姉」
「ああ」
「なにをお願いする気はわからないが、お前らは今度こそ蜂の巣にさせてもらうぜ!! やれぇ!!」
「……」
「……うん? どうした皆⁉ さっさとあいつらを蜂の巣にするんだ!」
「……」
「……くそっ! なんで皆命令を聞かないんだ⁉」
突然静かになり、自身の指示も無視するようになった部下達にキレていくお頭。
そんなお頭にジェーンが声を掛けていく。
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