《ジェーン対怪盗団》
わざと可愛らしく質問してきたジェーンに対して、怪盗団のメンバー達が怒りと恐怖に震えながら答えを返していった。
「そ、そりゃあ変な顔にもなるだろう⁉」
「俺達が持っていた武器が突然消えて、気付いたらお前が持っていたんだぞ⁉」
「これに驚かないやつなんているかよ!」
「おお、そうか。最初の反応が微妙だったから少しばかり焦っていたんだ。今のような反応をしてくれて助かるよ」
怪盗団のリアクションを見聞きしたジェーンは笑顔でそのように話していく。
そんなジェーンに怪盗団のメンバー達が、今ジェーンが手にしている銃火器をすべて返せと喚いてきた。
「うるせえ! 黙りやがれってんだ!!」
「そうだそうだ!」
「いや、そんなことより武器を返せや!!」
「ああ、そうだ! まずは武器を返してもらわないとなぁ!!」
「そうだ、返せ!」
「ああ、返しやがれ!!」
「さっさと返せ! さっさと返せ!!」
このように騒いでくる怪盗団メンバー一同に対して、ジェーンはテイルと目配せをして、軽い打ち合わせを行ったあとで怪盗団に条件付きで銃火器を返すと答える。
「……やかましいな」
「そうですねぇ。それで、どうしますか?」
「……まあ……返すさ」
「……そうですか。わかりました、よろしくお願いします」
「ああ。おい怪盗団のメンバー一同、銃火器を返してやるから感謝しろよ?」
「うるせえ! さっさと返しやがれ!!」
「……やれやれだな。まあいい。ただし一つだけ条件がある」
「ああ⁉ ふざけんな! とっとと返せ!!」
「条件を言うぞ? 返した銃火器で私達姉妹を撃たないこと。これを守れなかったらすぐに銃火器を破壊するからな」
「うるせ……」
「待て」
「へ? お頭?」
「わかった。その条件を受け入れるよ」
「お頭⁉」
ジェーンが話した条件を聞いた怪盗団のメンバー一同は、そんな条件は受け入れられない! と言わんばかりに騒いでいく。
しかし怪盗団のお頭は、部下達を黙らせるとジェーンに条件を受け入れると答えてきた。
これに部下達が反発するなか、お頭は一番近くにいた部下にこそこそと耳打ちをしていき、その耳打ちが終わると部下達は全員が静まり返る。
そうして部下達を黙らせたお頭が、改めてジェーンに条件を受け入れるから銃火器を返してほしいと訴えていく。
「黙りな。良いかい? ひそひそ……」
「……わ、わかりました……従います……」
「うるさくさせて悪かったね」
「いや、良いさ。それで条件は受け入れてもらえるのか?」
「ああ。だから銃火器を返してくれないかい?」
「……わかった。それじゃあ適当に放り投げるから、あとはそっちでどうにかしてくれ」
ジェーンはそう言って怪盗団メンバー一同に銃火器を投げ返していった。
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