《輸送部隊、襲撃される》
テイルの警告に従って銃火器の乱射をしていった輸送部隊員達は、一旦射撃を止めて頭上の様子を確かめていく。
「……どうだ?」
「なにも反応はないが……」
「……いかがでしょうか、テイル陛下、ジェーン殿下、なにか感じますか?」
頭上の様子を確かめてみた輸送部隊員達ではあったが、自分達だけではどのような状態になっているかがわからなかったため、すぐにテイルとジェーンにどのような状態になっているのかを尋ねていった。
これに応じたテイルとジェーンはすぐに頭上の様子を確認していき、その結果を輸送部隊員達に伝える。
「……そうだね、とりあえずは全員無事で降下してきているよ」
「ちなみに数だが……十人はいるな」
「十人も⁉ く、くそっ⁉」
「しかしなぜだ⁉ なぜ全員無事で降下できるんだ⁉」
「……今はそんなことを考えている場合ではないみたいですよ」
「えっ?」
「降りてきた。来るぞ!!」
輸送部隊員達の質問に答えていたテイルとジェーンがそう言って構えた次の瞬間、複数のなにかが地面に降り立った音が辺りに響く。
そしてすぐに何者かが指示を出す声と、その指示に応答する声が聞こえてきた。
「全員無事に降りたな! それじゃあ普段通り、しっかりやれよ!」
「了解です、お頭!」
こうして行動を始めた謎の集団に対して輸送部隊員達は、銃火器を使っての迎撃を始めようとする。
しかし視界が悪いなかでの発砲は味方に当たる可能性が高い、という指摘をテイルから受けて輸送部隊員達は銃火器での迎撃を止めることになった。
「くっ、くそっ!」
「おい、撃てっ! 撃てっ!!」
「ちょい待ち」
「えっ⁉ テイル陛下⁉」
「なぜです⁉ どうして止めるのですか⁉」
「あなた達正気? この状況で撃ったら味方にも当たるわよ?」
「あ……」
「う……」
「わかった? わかったなら近接用武器で反撃! 急いで!」
「……はい!」
テイルの指示を聞いた輸送部隊員達は一瞬だけ考えると即座に返事をし、ナイフやショートソードを取り出すて戦闘態勢に入っていく。
その一方で降下してきた謎の集団は、お頭と呼ばれた存在だけが輸送部隊員達に向かってくると、残りの部下達らしい存在は全員が物資に群がっていった。
「あははっ、無駄無駄っ! いつもみたいに物資はもらっていくよ!」
「……いつもみたいに?」
「う……」
お頭の発言にテイルが反応した瞬間、輸送部隊員達の動きが止まってしまう。
その隙をついたお頭がネオヒューマン能力を発動させ、輸送部隊員達に迫っていった。
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