《輸送部隊員への尋問》
自分達が放つ圧のせいでポーランド軍輸送部隊員達の顔色などが悪くなっていくことにテイルは多少の罪悪感を覚える。
しかしテイルは、元はと言えばポーランド軍がなんらかの情報を隠しているからだ、との考えを頭のなかだけで掲げてその罪悪感を振り払うと輸送部隊員達に質問を始めていった。
「はい、よろしくお願いします。それでは早速になるのですが、いろいろと質問させていただきます。よろしいですね?」
「……は、はい……ただ、あの……」
「うん? なんでしょうか?」
「その、できればお手柔らかにお願いしたいのですが……」
「それはまあ……皆さんが私達の質問に正直に答えてくださるかに掛かっているので、お手柔らかな質問になるかどうかは皆さん次第、ということになるのですが、それについては大丈夫ですよね?」
「うぐ……ええ、まあ……大丈夫です……」
「ふふ、そうですか。それでは始めます。まずですがあなた方はヨハネス陛下になんらかの情報を隠している。そうですね?」
「いえ、そのようなことは……」
「ありませんか? まあそう答えるのならそれでも構わないのですが、もし万が一情報を隠している場合、皆さんはヨハネス陛下に嘘を吐いている、ということになります。これについてはご理解いただけていますよねぇ?」
「……も、もちろん、です……」
テイルの質問を受けた輸送部隊員達は、全員がほんの少しだけ視線をずらし、わずかに声を震わせながらテイルの質問に答えていく。
この輸送部隊員達の態度を観察していたテイルとジェーンは、やはり彼らがなにかの情報を隠していると結論付けた。
この結果、テイルとジェーンは次の目標を輸送部隊員達が隠している情報がなんなのかを聞き出す、もしくは予想して当てていくことになる。
「なるほどねぇ、そうですか。わかりました。少しジェーン姉と話をしてくるので、皆さんはこのまま待っていてくださいね」
「わ、わかりました……」
「……さてジェーン姉、あれは嘘を吐いているものの反応ですよねぇ?」
「ああ、間違いないな」
「やっぱりジェーン姉もそう思いますか。そうなると次は彼らがどのような情報を隠しているか、これを聞き出すことになりますかね?」
「そうなるな。問題はその方法になるんだが……」
「今までのように質問しているだけでは難しいでしょうし……う~ん……」
輸送部隊員達にどうやれば隠している情報を喋らせることができるのかに頭を悩ませていくテイルとジェーン。
その時、どこからともなく笑い声が聞こえてきた。
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