《監視班の感想》
テイルとジェーンが出発していく様子を見送ったアーシアやジャン達は、テイル達二人の姿が完全に見えなくなってから会議の時の感想を話し合っていった。
「……行ったなぁ……」
「……うん、行ったねぇ……」
「ふぅ、これで安心して話せるよ。ジェーンさんがいるとどうしても空気がピリッとするからね」
「……付き合いの短い俺が同じ感想を持ったんだ。皆はもっと感じていたんだろうなぁ……」
「……まあのう……ジェーンの奴めは纏っている空気が真面目、ガチガチ、堅物の三拍子で構成されているようなものじゃからな。あまり交流のないものがあれと長時間行動を共にしていると息苦しく感じるのも仕方がないじゃろうなぁ……」
「……そんなにか。そんな話を聞いてしまうと、二人きりにしてしまったテイルに対して申し訳ない気持ちになってくるな……」
ここまでの話を聞いたジャンがそう言ってテイル達が飛んでいった方向に向けて祈りを捧げていく。
そんなジャンの姿を見たフェイトは、苦笑いを見せながらジャンに声を掛けていった。
「あの、ジャンさん、そんなに気にしないで大丈夫だと思いますよ」
「……うん? そうなのか? 難しい役目を押し付けたような感じがして気が引けていたんだが……」
「たぶんですけど、テイルもジェーンさんも私達の考えはすべてお見通しだと思いますよ? もちろん今こうして話し合いをしていることも」
「……え? いや、まさかそんな……」
フェイトの発言を聞いたジャンはそう言って首を横に振っていく。
そんなジャンにフェイトを除いたメンバーが順番に、それぞれの考えを話していった。
「私もフェイトと同じ意見だよ」
「アーシア? お前もか?」
「うん。テオもそう思うよね?」
「そうですね。マスターテイルもジェーン殿も聡明な方ですから。マスターリューネルンはどう思われますか?」
「わらわもテオと同じ意見じゃ……ジャンよ、あまりあの二人を舐めておると近い将来痛い目をみるぞ?」
「……わ、わかったよ……」
……こうして一同から脅される形になったジャンは、半ば強制的に納得させられてしまったのである。
その一方で物資輸送隊を捜索しているテイルとジェーンは、フェイト達がジャンに話していた通りに班分けの感想を話していた。
「……さて、あの班分けの場の空気はどうでしたか、ジェーン姉?」
「……皆ができることなら私と二人きりでの行動はしたくない、という空気を放っていたのが、なんとも言えなかったな……」
「……性格、直してみます?」
「ふっ、できるならとっくの昔にやっているさ」
「ですよねぇ……」
「はははっ!」
「ふふふ……」
テイルとジェーンはこのように話すと穏やかに笑っていった。
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