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多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第二章 冒険と新たな仲間達

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《集積所での聞き取り調査》

テイルの言葉に、仲間達が次々とそれぞれの意見を話していった。


「それはもう少し調べてみないとわからないんじゃないかしら?」


「確かにな。ただテイルの言う通り、なんの問題も起きていない可能性もあるがな」


「……わらわは問題が起きていてほしいのう……そうじゃないと暴れられんからのう……」


「マスターリューネルン、その発言は不謹慎です」


「ふむぅ、そうかのう……」


「私は問題が起きていない方が良いですね。ポーランドのあとはウクライナに行かないといけませんから」


「そうだな。さてテイル、どう行動する?」


皆の意見を聞き終えたジェーンがそう言ってテイルにこれからの行動方針を尋ねていく。

この質問にテイルは即答していった。


「とりあえずはこの物資集積所にいる兵士の皆様からいろいろと話を聞いて、情報収集をしていこうかなと思っていますよ」


「そうか。では早速いくか?」


「はい、そうしましょう。良いわね、皆?」


「はーい」


テイルの問いに一同がすぐに了解の返事を返していく。

この返事を聞いたテイルが、一同を引き連れて物資集積所の兵士に話を聞きにいった。


「やあ、すみません。ほんの少しだけ、お時間をいただいてもよろしいですかね?」


「へ? ……ああ、まあ、少しだけなら大丈夫だけど……」


「ありがとうございます。それではひとつだけお尋ねしますけど、最近この辺りでなにか問題が起きていませんか?」


「……え? ……いや、別に、なにも……」


「そうですか。わかりました、ありがとうございます」


「……あ? もう終わりか?」


「はい、終わりですが、なにか?」


「そうか……いや、ないならそれでいいんだ」


「そうですか。それでは、私達はこの辺で失礼させていただきます」


「ああ、それではな」


「はい」


このような挨拶を交わして物資集積所の兵士と別れたテイル達は、兵士の姿が見えなくなるまで離れたところで、先ほどのやり取りで感じたことを話し合い始める。


「……さて、さっきの兵士の言動について、皆はどう思った?」


「……なんとなくだが、嘘を吐いていると思った。なんとなくだが」


「……そうだね。嘘ではないとしても、話せないなにかがある、そんな気がした」


「ジェーン姉とアーシアはそんな感じか。他の皆はどう?」


「俺もあの兵士に話したくないなにかがある、という意見に賛成だ」


「わらわもそうじゃな」


「私もマスター達と同意見です」


「あれは誰が見てもなにかを隠している人間の態度だと思うわよ、テイル?」


ここまでの話し合いの結果、聞き取り調査を行った兵士がなにか話したくない事情がある、メンバー一同はそのように判断した。

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