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多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第二章 冒険と新たな仲間達

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《物資集積所に向けて》

ヨハネス王との会談を終えたテイル達は、すぐにポーランド軍の物資集積所に向けて出発する準備を始めていった。

この準備を約十分で終えたテイル達は、物資集積所に向けて急いで出発していく。


「約十分で準備完了で出発か。なかなか速かったんじゃないかしら?」


「そうだね、輸送部隊はまだ出発できていないみたいだし」


「そうなると俺達が先に到着するのは確定事項だな。勝ったな、風呂入りに行く」


「しっかりとしたフラグを立てるでないわ、大馬鹿者」


目的地までの飛行が始まってからすぐのテイル達はこのような笑い話が多めの会話を行っていたのだが、目的地の物資集積所が近付くにつれて真面目な会話が増えていき、最終的には物資集積所付近でどのような問題が起きているかを全員で予想し合うようになっていた。


「……ふむ、それじゃあジャンは魔物が輸送部隊を襲撃しているんじゃないか、ということね?」


「ああ、そうだ。簡単な予想で悪いな、皆」


「いや、いいよ。予想なんだからさ。それじゃあ次はフェイト、あなたの予想を聞かせてちょうだい?」


「うん。私はやっぱり共産軍が裏でなにかをやっているんじゃないかって思っています。どうでしょうか?」


「うん、それもありそうな予想だね。それに……」


「……うん? それに?」


「それに、もしかしたら魔物の襲撃と共産軍のなにかが同時に発生している可能性もあるからね。これも警戒しながら見て回る必要がありそうだね」


「ああ、そういえば魔王軍と共産軍は同盟関係だったな……」


「そうそう。なんかそろそろ合同で動いてきそうじゃない?」


「……まあ、確かにそうかも?」


「でしょう? だからこの辺の関係のことも頭の片隅に置いておいた方が良いと思うね」


「そうだな、警戒しておくにこしたことはないな……お、もしかして見えてきたか?」


「うん? 見えてきた? なにが?」


「おいおい、なにがって、目的地の物資集積所だよ」


「え? あ、もう到着したんだ?」


「ああ。だからそろそろ着陸しようぜ」


「了解。皆、着陸するよ!」


「了解!」


一同はテイルの号令を受けて物資集積所の近くに着陸していく。

そうして全員が着陸し終えたところで、テイル達は徒歩でポーランド軍の物資集積所に入っていった。


「ほう、ここがポーランド軍の物資集積所ですか」


「ああ。ここからウクライナに物資が送られているんだ」


「ふむふむ、いろいろな軍需物資が大量にあるね。ということはポーランド国内では問題は起きていないのかな?」


物資集積所の様子を見たテイルは、そう言って首を傾げていく。

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