《ジェーンとヨハネス王の挨拶》
テイルとの握手と自己紹介を終えたヨハネス王は、続けてジェーンにも握手を求めていった。
「ありがとうございました、テイル陛下……それで……あの、ジェーン殿下……」
「なんでしょうか、ヨハネス陛下?」
「殿下とも握手と自己紹介を、と思うのですが……よろしいでしょうか?」
「もちろんよろしいですよ。むしろ私の方から陛下にお願いしなければいけない立場だと思いますから、陛下から提案されて申し訳なく思ってしまいます」
「はっはっは、なにを言われるかと思えばそのようなことを! 殿下が申し訳なく思われることは一切ありませんよ!」
「……そうですか。わかりました。それではヨハネス陛下、私とも握手と自己紹介を、よろしいでしょうか?」
「ええ、もちろんです! では早速……」
ジェーンの反応を見たヨハネス王がジェーンの前に歩いていく。
そうして真正面に向き合ったヨハネス王とジェーンは、固く握手をしていき、自己紹介を行った。
「私はポーランド国王、ヨハネス・ピウツスキーです。以後、よろしくお願いいたします」
「私はフェリアシティ王国女王テイル・フェリアシティの姉、ジェーン・フェリアシティと申します。これ以降よろしくお願いいたします、ヨハネス陛下」
こうして互いに自己紹介を行ったヨハネス王とジェーンは十数秒間握手を行ったあとで手を離し、ジェーンはそのままの場所を動かず、ヨハネス王は玉座に戻っていった。
そうして玉座に座ったヨハネス王がテイルに話し掛けていく。
「さて、自己紹介が終わったところでゆっくりと話したいと思うのですが、テイル陛下はなぜポーランドに来られたのですかな?」
「それはポーランドに来る前の話になるのですが、ヨーロッパ全体の状況を説明してもらった時にウクライナが最前線、そしてここポーランドがウクライナに次ぐ前線だと説明されましたもので、それなら及ばずながら両国の支援に行こうという話になりまして、まずはポーランドに赴いた、ということになるのです」
「……ふむ、なるほど……そういうことでしたか……」
テイルの返答を聞いたヨハネス王がそう言って考え込む。
そんなヨハネス王にテイルが質問をしていく。
「それでヨハネス陛下、実際の戦況はどのような感じになっているのでしょうか?」
「……ウクライナはなんとか一進一退、といったところです。ただそれもヨーロッパ各国の援軍を得てようやく、といった感じですが」
「……ということは、ウクライナ軍単独では共産軍に負ける、と?」
「……そうなりそうです」
ヨハネス王は忌々しげに吐き捨てた。
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