《目的地を決めよう!》
テイルの呼び掛けで始まったこれから向かう場所を決める話し合いはヨーロッパのどこか、という答えで最初の最初に決める内容を突破していった。
続けてヨーロッパのどこに行くかを決める話し合いが開始される。
「どこか行きたいところはある?」
「……そうだなぁ……ヨーロッパはどうかな?」
「え? またヨーロッパ?」
「ああ」
「……ヨーロッパを選ぶ理由は?」
「イングランドのケイン閣下、それからドイツのブラスト将軍と友好関係を深めた、という話が出回ったら他のヨーロッパ諸国が嫉妬してきそうだからだ」
「ほう、そういうことか。またえらく厄介な問題がでてくるもんだね」
「ああ、厄介だ。だからヨーロッパを推す。他の皆はどうだ?」
「その理由を聞いちゃったらヨーロッパ以外は選べなくなるね」
「うむ。わらわも異論はないぞ」
「マスターが賛成なら私も賛成です」
「こうなるともう反対意見はでないんじゃないかしら?」
「……そうみたいだね。それならとりあえずヨーロッパで決まり! 次はヨーロッパのどこに行くかだね。なにか候補はあるかしら?」
「……イングランド、ドイツときたなら次は……フランスとかイタリア辺りか?」
「フランスにイタリアか。他に意見はある?」
「私はポーランドに行ってみたいかな」
「ポーランド? なんでポーランド?」
「だって新共産同盟軍との最前線にある国なのよ? ちょっと興味ない?」
「ほう、新共産同盟軍との最前線だと。確かにそれは気になる情報だねぇ」
「そうでしょそうでしょ?」
テイルの反応を見たアーシアが、自身の提案が通りそうだということで上機嫌になっていく。
そんなテイルとアーシアの反応を見ながらジャンがこの話に割り込んできた。
「……アーシア、テンションが高くなっているところで悪いんだが、新共産同盟軍との本当の最前線はウクライナだぞ?」
「それはわかっているよ。でも本気でバッチバチにやり合っているところに無理矢理押し掛けるのはまずいでしょ?」
「……まあ……確かにそうだろうが……事実と違うことを吹き込むのもまずいんじゃないかと思ってな」
「……それは……まあ……」
「うん? 最前線はウクライナなの? それじゃあポーランドは?」
「ポーランドも新共産同盟軍所属国のベラルーシと直接国境が接している。しかしベラルーシ軍はロシア軍と共同でウクライナに攻撃を仕掛けている。ここでポーランド軍はウクライナ軍の援軍としてロシア、ベラルーシ軍と戦っている。だから最、最前線の国はウクライナ、最前線の国はポーランドだと我々新生NATO軍は考えている」
「……なるほどね」
ジャンの解説を聞いたテイルは、頷きながら頭に簡単な周辺地図を描いていく。
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