《帰還と出来事の報告》
ドイツ軍将兵一同からの見送りを受けてアメリカへと帰還していったテイル達は平和に道中を飛んでいき、全員が無事にアメリカにあるフェリアシティ王国の仮王宮に戻っていった。
そして戻った仮王宮でテイル達は留守番をしていたメンバーにドイツであった出来事を話していく。
「やあ、ただいま、皆」
「ああ、お帰り、テイルに皆。それでドイツはどうだった? なにか変わったことはあったか?」
「そうだねぇ……ああ、そうだ。身代わり人形の使い手、というか身代わり人形を私に向けて突撃させてきた張本人と接触したよ」
「……ほう? どんなやつだった?」
「名前は確か……フィフだったかな」
「フィフ、か。戦闘能力はどのぐらいだった?」
「いやぁ、かなり強かったよ。最低でもライトと互角かそれ以上に強かったよ」
テイルから身代わり人形の主、フィフの名前と戦闘能力を聞いた留守番メンバー達は、少し表情を歪めながら留守番メンバー達だけで話し合いを始めた。
「……ライトとほぼ同等の実力者……?」
「そんなやつが敵になったのか……」
「そうなると私達も気を付けて戦わないといけないわね……」
留守番メンバー達がこのように話しているとテイルが留守番メンバー達に声を掛けていく。
「そういうわけだから、フィフの映像を皆に見せるわね?」
「おお、そうか。それは助かる」
「お礼はいらないよ。それよりも見せるよ、用意は良いかな?」
「ああ、大丈夫だ。すぐに頼む」
留守番メンバーからすぐに見せられても大丈夫だと言われたテイルは一緒にドイツに行ったメンバーと留守番メンバーの全員で会議室に向かっていった。
「さて、それじゃあ映像を見せるよ」
「おう」
「はい」
会議室に設置されているホワイトボードを触りながらテイルが全メンバーに声を掛けると、テイルの言葉に全メンバーも応じて声を返していく。
それを確認したテイルがホワイトボードに魔力を送り始めると、ホワイトボードにテイルが見聞きしていたフィフの映像と、フィフとの戦いの映像が流れ始めた。
「ほう、これがフィフか」
「……お、戦闘の映像も流れ始めたな」
「……これは……想像以上に危険な相手みたいねぇ……」
「……逃げていった……」
「……あ、あれ? また戻ってきましたよ?」
「なんで戻って……って、はあ⁉ 核自爆⁉」
「嘘だろ⁉ おい、ちょっと待て⁉ 核自爆をなんの躊躇いもなく⁉」
「……戦闘能力もヤバいけど、思考回路が一番ヤバいな、このフィフという女は……」
テイルが流した映像を見た留守番メンバー達は、フィフの危険性を脳裏に刻み込んでいった。
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