《ドイツ軍将兵の見送り》
テイル達が部屋から出ていったすぐあと、ブラストも部屋から出てきてテイル達に追い付いてきて声を掛けてきた。
「……よし、あそこまでやっておけば多分大丈夫でしょう」
「そうだろうね。よかったね、テイル。追加で魔法を使うようにならなくて……」
「本当にね。さて、それじゃあそろそろ帰りましょうか?」
「そうだね……うん?」
「あれ? ドアが開いた?」
「あら、ブラスト将軍? なにか報告しなければいけないことでもありましたか?」
さっきまで司令官に報告を行っていたブラストが自分達のあとを追ってくる形になったことで、ブラスト達ドイツ軍からまだなにか伝えておかなければいけないことがあったのかと身構えるテイル達。
しかしそんなテイル達に、ブラストはただ普通にお別れの挨拶をしてくるだけで特別に変わったことはしてこなかった。
「いえ、報告も終わりましたから皆さんにお別れの挨拶をしておこうと思いまして……」
「ああ、それで私達のあとを追うように部屋を出てこられたのですね?」
「はい、そうです。それではテイル・フェリアシティ女王陛下、ありがとうございました! どうかお気を付けてお帰りくださいませ!」
「こちらこそドイツ国との間に協力体制を作れたことを喜ばしく思います。ありがとうございました、ブラスト・シュツットバルト将軍閣下。ドイツ国の皆様方もどうかお気を付けてお過ごしください」
「お心遣い感謝いたします、テイル陛下。またお会いできる時を楽しみにしております」
テイル達にこのように話してお別れの挨拶をしてきたブラストに、テイルもお別れの挨拶をする。
そうして互いにお別れの挨拶をし終えたテイル達とブラストは名残惜しそうにしながら離れていき、基地の外に出ていく。
そうして出ていった基地の外では、ドイツ軍将兵一同がテイル達の帰還を見送るために勢揃いして整列していた。
「……おお、皆綺麗に整列してる」
「本当だ。すごいね」
「……あっ、テイル陛下、それにフェリアシティ王国の皆様、お待ちしておりました!」
「あの、これは……もしかして私達の見送りのために、ですか……?」
「ええ、その通りです」
「皆様、今回の御助力、まことにありがとうございました!」
「皆様のおかげで無事生還できたというものも大勢いましょう!」
「改めまして、フェリアシティ王国の皆様、本当にありがとうございました!」
ドイツ軍将兵一同がこのようなことを言いながらテイル達に拍手をしてくる。
そうしてテイル達がアメリカに向けて飛び立つ、となった時にはドイツ軍将兵一同が敬礼をしながら見送ってきた。
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