《注意されるテイルとライトの姉妹》
テイルの話を聞いた司令官の表情が固まっていることに気付いたアーシアが、テイルとライトの二人にやりすぎだと注意をしていく。
「……」
「……うん? 司令官殿?」
「ちょっとテイルにライト。二人ともやりすぎよ?」
「え? まずかった?」
「私はさすがにやりすぎだと思ったわよ?」
「え、マジ? 他の皆は?」
「……まあ俺も正直やりすぎかなぁ、とは思って見ていたけれども……」
「わらわは見ていて面白かったからありだと思っていたがのう」
「私はマスターテイルの考えに従います」
「私もアーシアと同じでやりすぎだと思ったなぁ……」
「マジかぁ……やりすぎたかぁ……」
アーシア以外からも意見を聞いたテイルとライトは、やりすぎだと思ったという意見が多かったことを受けて真面目に反省していき、その証明として司令官に深く頭を下げていった。
この事態に司令官は更に慌てていき、この様子を見ていたアーシア達から、
(……ああ、これはしばらくの間、まともな判断はできないな……)
このように思われるほど動揺してしまう。
「申し訳ありません、司令官殿。この通り、頭を下げて謝ります」
「私もテイル姉と同じ思いです。どうか許してはもらえないでしょうか……?」
「あ、はい、それはもう、当然許しますとも! ですからどうか、頭を上げてください! お願いですから!」
「……え? そのように言われるということは、許してくださるのですか⁉」
「あ、ありがとうございます、司令官殿!」
「いえ、謝るのはもう大丈夫ですから! ですからどうか! どうかブラスト将軍の報告を受けさせてください! お願いですから!」
「……そうですか……わかりました。ライト、私達は少し下がりましょう」
「わかりました、テイル姉」
こうして司令官の心をこれでもか、というほど荒らしに荒らしたテイルとライトは、言葉通りに引き下がっていき、ブラストと立ち位置を変えていった。
この時点でテイル達が当初目的にしていた司令官の心を乱し、ブラスト優位の状態で戦闘結果の報告をさせる、これを達成することに成功する。
「司令官、お待たせしました」
「……いや、こちらの方が将軍を待たせたと謝罪しなければいけないだろう……」
「……そうですか……とりあえず報告を始めますね?」
「……うむ、頼む」
「我々ドイツとフェリアシティ王国の連合軍は拠点に立て籠る反政府武装勢力に対し総攻撃を実施、敵部隊の多数を撃破し武装勢力の無力化に成功しました」
「おお、そうか。よくやってくれたな、将軍」
「……はっ」
司令官から褒められたブラストは控えめに喜んでいった。
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