《司令官への自己紹介、その続き》
アーシア達の自己紹介を受けた司令官は、まったくの予想外だった大物からの自己紹介を連続して受け止めたことで精神が発狂寸前にまで追い詰められる。
そんな司令官だったが、続くテオからの自己紹介でなんとか精神の安定を取り戻していった。
「次は私が自己紹介します。私はテオ、マスターテイルとマスターリューネルンの従者です」
「……ん? 従者?」
「はい」
「そ、そうか、従者か……」
「続いて私が自己紹介をいたします。私はフェイト・ブルーアイ、特にどこかの国の重要人物だったりはしません。ただテイルの友人というだけの一般人です」
「……ほう、テイル女王陛下のご友人ですか。それはそれは、なかなか大変そうな役割をしておいでですな」
「そうですね。テイルのメンタルケアなど、様々なことをやっています」
「そうですか、そうですか。うんうん」
こうしてある程度精神状態を回復させた司令官に、最後のひとりになったライトが自己紹介をし始める。
「最後は私か。私はライトって言います。よろしくね、司令官」
「あ、ええ、よろしくお願いします。ところであなたもテイル女王陛下のご友人ですかな?」
「友人……まあそんなものですね」
「友人……のようなものですか。それはそれは……」
「あ、そうそう、名前だけで名字を話していませんでしたね。私の名字はフェリアシティと言います。こちらの方もよろしくお願いします」
「……うん? 名字がフェリアシティ……? あれ? 確かテイル女王陛下の名字も……」
「フェリアシティですね」
「……ということは……?」
なにかを確認するかのようにテイルへ尋ねていく司令官。
そんな司令官の質問に対して、テイルはニヤニヤしながら答えていく。
「……そろそろ本当のことを話そうか、ライト?」
「そうだねぇ、その方が良いだろうね」
「え? え?」
「私はライト・フェリアシティ。テイル・フェリアシティの妹です」
「え⁉ 妹⁉」
「ええ、ライトは私の妹です。ごめんなさい、騙すようなことをして」
「い、妹……いや、国家元首とその近親者が同じ戦場に行くのはまずいでしょう⁉」
テイルとライトの本当の関係を知った司令官が悲鳴に近い叫び声をあげる。
そんな司令官にテイルはさらっと自身の家族構成を伝えていった。
「心配することはありません。私にはまだ姉が二人と妹が二人いますから。たとえ私とライトが同時に死んでも残りの誰かがすぐに即位してくれるはずですから。まあ死にませんが」
「……」
笑いながらとんでもない話をしていくテイルに司令官は完全に絶句する。
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