《テイルの考えるドイツ軍司令官攻略法》
ブラストとアーシア達の変な声を聞いたテイルはその二組に顔を向けると、意外そうな表情で二組に声を掛けていった。
「いやいや二組とも、え? じゃないのよ」
「いや、先ほどの発言にはえ? しかないですよ?」
「そうそう。いきなりなんで私達まで巻き込むのさ?」
「それは当然、数の暴力よ」
「数の暴力?」
自身の発言を聞いて頭に疑問符が浮かんでいるように見えるアーシア達に、テイルが詳細を話していく。
「そう、数の暴力。ブラスト将軍、将軍がこれから会って話をする相手はひとりですよね?」
「え? ……まあ、そうですけど」
「相手がひとりだからこそ、こちらは相手が予想していない大人数で押し掛けて精神的に圧迫していくのよ」
「……上手くいくのかな?」
「上手くいかなくても大丈夫だよ。次の手があるからね」
「次の手?」
「そう。大人数での圧迫に効果がなかったら、今度は大人数の力をいかした多数決で挑むつもりでいるから」
「……ほう、なるほど。確かにそれならなんとかなるかもしれないね」
「でしょう? だから皆にも一緒に来てもらいたいのよ。頼めるかしら?」
そう言ってテイルはアーシア達を見回す。
このテイルによる一連の言動を受けたアーシア達は一度互いに顔を見合わせ、それぞれが頷いたあとでテイルの頼みに答えていく。
「わかった、一緒に行くよ」
「その方が良さそうだよな」
「うむ、そうじゃな」
「マスターテイルの仰せのままに」
「私も良いよ、テイル」
「皆賛成みたいだよ、テイル姉」
「そう、みたいだね。皆ありがとう」
全員の返答を聞いたところでライトがテイルに報告し、それに対してテイルが全員にお礼の言葉を伝えていった。
これに対してリューネルンがその感想とある考えを話していく。
「礼には及ばん。それにテイルが万が一暴走した時にも皆が一緒ならなんとか止められるじゃろうしな」
「……ほう? 私を止める、ねぇ? ……あっはっは……やれるもんならやってみな?」
リューネルンの発した言葉に、笑いながら返答していくテイル。
このテイルの様子を見た一同は即座にこれは無理だと判断して、全面降伏の流れになる。
「……止められるかな……」
「……無理なような気がするのう……」
「マスターリューネルン、なぜ余計な発言をされたのですか?」
「余計などと言うでないわ」
「申し訳ありません、マスターリューネルン」
「ふん」
テオの反応を見たリューネルンが少し不機嫌になったところで、テイルが一同にブラストと共に報告に行こうと声を掛けていった。
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