《記憶操作の説明》
テイルの悪い笑いを見たアーシア達は、またテイルがなにかひどいことを企んでいると察して震えあがる。
その一方でこの場のすべての方の記憶を弄るという言葉を聞いたブラストがその話の壮大さに完全に引いてしまっていた。
そんなブラストにテイルが悪い笑顔のままで話し掛けていく。
「大丈夫ですよ、ブラスト将軍。そんなに怖がらなくても、忘れてはいけないことは忘れないように配慮して記憶を操作しますから」
「いや、そんなことを言われても怖いものは怖いんですが⁉」
「ブラスト将軍、そんなに取り乱さないでください。兵士達まで取り乱すことになりますよ?」
「う……」
自身のの提案を聞いて思わず取り乱したブラストにそう言って無理矢理黙らせたテイルが、今度はアーシア達に声を掛けていった。
「さて、ブラスト将軍がおとなしくなってくれたところで、次は皆の番だよ?」
「ひえっ⁉」
「ひえっ⁉ じゃないのよ。万が一の事態があるから皆も絶対に記憶を弄らせて貰うわよ?」
「う……」
「ちょっと待ってよ、テイル姉」
「うん? どうしたの、ライト?」
アーシア達に声を掛け、アーシア達全員に悲鳴を上げさせたテイルに、ライトが待ったを掛けて質問していく。
「記憶を弄るのは私もなの?」
「当然でしょ?」
「……テイル姉も知ってると思うけど、私は以前に記憶を弄ったことがあるのよね」
「うん、知ってるよ。同じ時に私も記憶を弄ったからね」
「……わかってるならいい。それでここからが本題なんだけど」
「うんうん」
「……その私にまた記憶を弄れと?」
「ええ、そうよ。よくわかってるじゃない、ライト」
微妙な表情をしながら質問をしていくライトと、笑顔でその質問に答えていくテイル。
そうしてテイルの最後の返答を聞いたライトの表情が微妙な表情からすべてを諦めた表情に変わり、非常に大きな溜め息を吐きながらテイルの言葉を受け入れていった。
「……はあぁぁぁ……しょうがない、またあれを受けるか……」
「そうしてくれると助かる……まあそれをしなくてもよくなる方法があるにはあるんだけどね……」
「あれ? そうなの? だったらその方法が良いんだけど、それはどうやるの?」
再度の記憶操作を嫌がるライトにテイルが気になる一言を呟いていく。
それを聞いたライトがすぐにその方法を尋ねたのだが、この質問に対するテイルの答えにライトだけでなくアーシア達も呆然としてしまった。
「簡単よ。今の話を絶対に話さないこと。これだけよ」
「ええ……」
テイルの返答を聞いたライトとアーシア達は普通に引いていった。
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