《最後のお仕事withテイル》
ブラストの話を聞いたテイルがこの事態にどう対処していくかを考え始めた。
(うーん……ここでブラスト将軍を降格処分にさせてせっかくできた人脈を細くしたくはないなぁ……そうなると、ちょっと反則かもしれないけどあれでいくか……)
対処を思い付き、その対処法を実行することに決めたテイルがブラストに話し掛けていく。
「……ブラスト将軍が降格させられるかもしれない、そんな話を聞いてしまっては、私もなにかをしないわけにはいきません」
「……え? なにかとは……なんですか?」
「それはまあ……裏工作と言いますか、事実の歪曲と言いますか、報告の一部に虚偽の内容を盛り込むと言いますか……」
「……つまり報告書の改竄をする、と?」
「まあ早い話がそういうことです……駄目ですかね?」
自身の提案をなんともいえない表情で聞いていたブラストに今の提案は駄目な提案だったのかを尋ねていった。
するとこの質問にブラストは渋い表情を浮かべながら返答してきた。
「……それは、バレなければ良い、という考えなのでしょうが……個人的には、この世にバレない嘘はない、そう思って生きてきましたので、バレた時のことを考えるとどうしても抵抗感があります」
「……ふふ、なるほど? つまりこういうことですか。なにがどうなっても絶対にバレない嘘を吐けば良い、と」
「……へ?」
テイルの発言を聞いたブラストが思わず変な声をあげていく。
そんなブラストにテイルが更に言葉を重ねていった。
「へ? じゃありませんよ。それとももう一度話した方がよろしいですか?」
「あ、いえ、それは大丈夫です。それよりも気になるのは……」
「絶対にバレない嘘の吐き方、ですよね?」
「……はい」
自身が話そうとしていたことを先にテイルが話したため、一言しか話すことができずに項垂れたブラストにテイルがその詳細を説明し始める。
「そんなに落ち込まないでください、その方法はすぐに教えてあげますから」
「……はあ」
テイルの発言を聞いたブラストは気の抜けた返事をしていくが、テイルはそれを無視して話を進めていく。
「その方法なのですが、魔法です」
「魔法、ですか? ちなみにそれは、魔法をどのように使うのでしょうか?」
「簡単ですよ。ここで作戦に参加したすべての方の記憶を弄るだけです」
「ファッ⁉」
「ええっ⁉」
あまりにも衝撃的なテイルの一言に話を聞いていたブラストだけでなくたまたま話を聞いてしまったアーシア達も大きな声をあげてしまう。
そんな一同をテイルはニヤニヤしながら眺めていた。
閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねありがとうございます!




