《最後の一仕事》
「……えー、諸君、よくやってくれた!」
テイルから締めの挨拶を任されたブラストが、自国軍であるドイツ軍とテイル達フェリアシティ王国軍一同の前で挨拶を始めていく。
「残念ながら犠牲は出てしまったが、反政府武装勢力は壊滅し、その構成メンバーの複数名を確保することに成功した! 大成功だったとは言えないが、成功だったとは言えるだろう! 今後確保したメンバーを尋問すれば反政府武装勢力を密かに支援していた組織の正体も判明するはずだ! そうなった場合、判明した組織との戦闘発生も考えられる! その時のために、諸君等にはより一層の奮起を期待したい! 良いか⁉」
「はいっ!!」
「よし、それではこれより基地に帰還する! 周囲に敵性勢力はいないだろうが、警戒は怠るなよ⁉」
「はいっ!!」
ブラストの号令に力強く返事をしたドイツ軍兵士達が少しずつ基地への帰還を始める。
その様子をぼんやりと眺めていたテイル達であったが、突然ゲートが出現したため、即座に戦闘態勢に入っていった。
「ちょっと! なんでこのタイミングでゲートが出てくるのよ⁉」
「私に聞かないで……それよりも警戒を強めてちょうだい。この魔力反応は……!」
「間違いない、あやつじゃな? テイルや」
「ええ……来るわよ!!」
テイルが一同にそう叫んだ次の瞬間、ゲートのなかからフィフがその姿を現す。
そうして出現してきたフィフにテイルが怒鳴り付ける。
「おい、フィフ! なんで戻ってきた⁉ さっき帰ったばっかりだろ⁉」
「いや、そうなんだけどさぁ、帰ったら帰ったで怒られたのよ。与えられた仕事はしっかりしてこいって」
「……与えられた仕事……?」
「そう。せっかくなんだからもう少しドイツ軍の兵力を減らせってさ。だからやらせてもらうね?」
テイルの質問に答え終わったフィフが魔力を収束させていく。
その動作からフィフが魔法で攻撃しようとしていると気付いたテイルがアーシア達に指示を出しながら魔導シールドを展開していった。
「くっ! 皆急いで魔導シールドを! このままだとドイツ軍の被害が……!」
「わかった! いくわよ!! 魔導シールド!!」
テイルの指示を受けたアーシア達がドイツ軍兵士達を魔導シールドで覆っていく。
するとその様子を見ていたフィフが嬉しそうに嗤いながら話す。
「テイルちゃん、その他大勢、本当にほんっっとうにありがとう!!」
「……は?」
「だってこれで本来の目的が果たせるんだもん!」
フィフはそう言うと、捕虜達に向けてフルバーストを発動させていった。
閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねありがとうございます!




