《フィフの撤退》
テイルがよそ見をした、その一瞬の隙をついてフィフがノールック魔法を使い、テイルに向けて闇属性最上級魔法のブラックホールを発動させていった。
「ほぅら、雑魚テイルだからよそ見をしたぁ」
「え? あっ⁉」
「ノールック魔法、ブラックホール」
「ぐっ、ああ⁉」
アーシア達は核自爆直前のフィフ機を投げ寄越されたことで大パニックになり、テイルはノールック魔法の直撃で身動きができなくなったところで、フィフはゲート展開魔法を使用、ロシアに帰っていく。
「よっし、これで帰れる。ゲート!」
「……いったた……あっ⁉」
「それじゃばいば~い! 生きてたらまた会おうね、雑魚テイル!」
「ま、待て! この……! ……くっそ、逃げられたか……!」
フィフを逃がした悔しさから拳を地面に打ち付けたテイルだったが、すぐにアーシア達から次々とクレームが入る。
「そんなことやってる場合か雑魚テイル! さっさとこっちにこい!」
「そうだ! 早くこっちにきてこの核自爆しそうになってる機体をどうにかしろ!!」
「ふざけんな!! 誰が雑魚テイルじゃい!! そんなふざけたことを言うんならこの場をこのままにして帰るぞ⁉」
「それだけはやめてください。それとお願いですからこの機体をなんとかしてください」
核自爆直前の機体を放置して帰るとアーシア達を脅迫したテイルに対して、謝りながら核自爆直前の機体をなんとかしてほしいと懇願していくアーシア達。
そんなアーシア達の懇願を受け入れるか悩もうとしたテイルだったが、フィフ機の核自爆までのカウントダウンが聞こえたために悩むのを止め、フィフ機の核自爆を止めるために行動を起こしていく。
「仕方ないなぁ。それで? 自爆するまであと何秒ぐらい時間が残っているの?」
「え、それはわかんない」
「……やれやれまったく……さっき聞こえてきた感じだともう十秒はきってるわね」
「じゃあどうするんですか⁉ このままだと我がドイツ国内で核爆発の被害が発生するのですが⁉」
テイルの言葉を聞いて取り乱したブラストに、テイルがこのあとどうするかを伝えていった。
「心配しないでください、ブラスト将軍。この機体はなんとかします」
「なんとかできるんですか⁉ だったらお願いします!!」
「わかりました……ライト! 力を貸してほしい。頼めるわね?」
「うん。それでどうするの?」
「フィフの機体に向けて、私達が二人で魔導シールドを最大パワーで展開して核爆発を抑え込む」
「わかった。じゃあ私からいくわよ!」
「ええ、お願い」
こうしてまずはライトが魔導シールドを使い、すぐに続けてテイルが魔導シールドを展開していき、核爆発を抑え込み始める。
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