《テイル対フィフ その五》
アーシア達の戦闘予想に答えが出ないとなっていた頃、アーシア達が予想していたテイルとフィフの戦いは激しさを増していた。
「あははっ、良いねぇテイル、すごく良い!! 私とここまで戦える奴はテイルが初めてだよ!!」
「それはどうも。ちなみに聞くんだけどフレイルと戦ったことはある?」
「あるよ。模擬戦の形で三回ほど」
「……その経験も踏まえた上で、私と戦う方が楽しいって言うんだ?」
「そうだね」
「……ということはフレイルよりも私の方が強いってことかしら?」
「そうだね、フレイルよりもテイルの方が強いね。だってテイルと戦う方が楽しいもん!」
テイルの質問に答えたフィフはそう言って無邪気に笑う。
ちなみにテイルとフィフはこのやり取りをしている間も激しい斬り合いを続けている。
そんななかでもフィフの言葉に気を良くしたテイルが笑いながらフィフに感謝の言葉と、ひとつのお願いを伝えていく。
「フレイルよりも私の方が強いか、それは嬉しい評価だね」
「そうでしょ? 感謝してよね?」
「大丈夫、大丈夫。感謝はしてるよ、感謝はね」
「そう? それならいいけど……」
「うん。それともうひとつ感謝を伝えておくわね」
「……もうひとつ? なんかあったっけ?」
「あるよ。さっきから雑魚テイルって言わなくなったじゃない。それに関しての感謝を……」
「ああそれか。言ってないだけで雑魚テイルだとは今も思ってるよ?」
「……そうかよこの……腐れフィフ!!」
「おっとぉ!! まだまだ、そんなぬるい攻撃じゃあ、私は倒せないよぉ、雑魚テイル!!」
再びヒートアップするテイルとフィフの罵り合いに呼応して激しくなる戦いは、意外な形で終わりを向かえようとしていた。
お互いが放った渾身の一太刀がぶつかり合い、その衝撃で負担が増えていた両機体の腕の関節部が、負担に耐えられなくなって爆発、テイル機、フィフ機共に両腕部を失いまともな戦いができなくなる。
これを見たテイルがフィフに一時の休戦を申し出ていった。
「……お互いに腕がないと戦えないでしょう。今日のところはこれで終わりにして、お互いの機体が修復されたあとで改めて戦うことにしない?」
「……それも面白いかもね」
「微妙な反応だな……まあいいや。休戦を受け入れるか断るか。お前の答えを聞かせてもらおうか?」
「さぁてどうしよっかなぁ。とりあえずロシア軍の意見を聞いてみます」
テイルの質問に対してそう答えたフィフはトーリアに通信を行う。
そこで聞いた答えから、フィフはとんでもない終わり方を選んでいった。
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