《テイル対フィフ その四》
「……んぇ? ……うぐおぇっ⁉」
フィフがテイル機の接近に気付いた次の瞬間、テイル機のドロップキックがフィフ機に炸裂してフィフ機は地上に吹き飛んでいき、地面に激しく激突していった。
「よし、直撃した! 続けていくわよ!」
「……いったぁ~……くっそ、上からだったか……」
「食らえ! フルバー……」
地上に落ちたフィフ機に対してテイルがフルバーストを発動しようとしたところで、アーシア達や付近の地形が目に入った瞬間にフルバーストを発動することを躊躇い、魔法の発動を中断していく。
「……ちっ、フルバースト停止」
「……あ? 途中で止めた……? なんで……ああ、はぁ~ん、そういうことか……」
「……ふぅ、いくわよフィフ!」
テイルの行動を見てなにかを理解したフィフが邪悪な笑みを浮かべていき、フルバーストを止めたテイルがレーザーソードの二刀流構えでフィフ機に向かって接近していった。
「はあああっ! 食らえフィフ!」
「よっとぉ! そう簡単には食らわないよ、雑魚テイル!」
「……あ? 今なんつったお前?」
「雑魚テイルって言ったんだよ、雑魚テイル! そらっ!」
「……ふっ! そんなの軽い攻撃で私が倒せるとでも思ってるの、フィフ?」
「思ってるよぉ? だって雑魚テイルだもん」
「……」
フィフの発言にイラつきながらもテイルは冷静に攻撃を繰り出しながらフィフ機の攻撃を避けていく。
一方のフィフも時折テイルを小馬鹿にしながら攻撃をしつつテイル機の攻撃を時に受け止め、時に避けながら戦闘を続けていった。
「ふぅん、雑魚だけど強いじゃん、雑魚テイル」
「……それはどうも、腐れフィフ」
「ちょっと待て雑魚テイル! 腐れフィフってなんなのよ⁉」
「お前が私のことを雑魚テイルとかふざけた呼び方をするからでしょうが、この腐れフィフ!」
「ふざけんな! お前は雑魚だから雑魚テイルでいいけど私は腐れてないわ!」
「しっかり腐れてるわ、この腐れフィフ!」
「なんだと⁉」
「なによ⁉」
テイルとフィフは互いに口汚く罵り合いながら激しい剣劇戦闘を展開していく。
その様子を見守っているアーシア達はそれぞれがその感想を話していった。
「……あのフィフって奴、想像していたよりも遥かに強いね……」
「あの魔力量と気配から強いとは思っていたけど、まさかテイルと完全に互角の戦いを繰り広げることができるなんて……」
「フレイルの奴もとんでもない化け物を送り込んできたもんだ」
「……テイルは勝てるのかのう?」
「……勝てる……とは思う。え? 勝てるよね?」
アーシアの疑問に答えられるものは、誰もいなかった。
閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねありがとうございます!




