表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
多元世界戦記 ~テイル奇譚~   作者: 篠原2
第二章 冒険と新たな仲間達

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

397/512

《テイル対フィフ その二》

テイルとフィフの剣劇戦闘は両者互角の斬り合いが十数分に渡って続く極めて激しいものになっていた。


「……へえ、今の突きを避けるのはちょっと驚いたね」


「テイルの方こそやるじゃん! 今までの相手だったら最低でも三十回はみじん切りにされてるよ!」


自身との斬り合いについてテンション高く話すフィフに、テイルが軽い溜め息をひとつ吐いてから話し掛ける。


「……ふぅ、ずいぶんと嬉しそうだね、フィフ?」


「そりゃ嬉しいよ! だって久しぶりに楽しいって思える相手と戦えるんだから!!」


「なるほどねぇ……私にとってはこれまでで一番厄介な敵と戦いになってるからちょっと苦しいよ?」


「ええ? テイルは楽しくないの?」


テイルの質問を嬉しそうに楽しそうに答えたフィフに対し、フィフの逆質問に苦しいと答えてきたテイルに、フィフが楽しくないのかと尋ねてきた。


「……そうだねぇ……楽しくないのか、と聞かれたらそれはない、楽しい、とは答えるよ」


「なんだ、やっぱり楽しいんじゃない。苦しいなんて嘘を吐くんじゃないよ」


「楽しいのは事実だけど、苦しいのも事実なんだよ。だってどうやっても当たってくれないんだもん」


フィフの逆質問に答えながら袈裟斬り、連続突きなどの剣技に加えて多彩な蹴り技も含めた波状攻撃を繰り出していたテイル。

しかしそのすべてに対応しながら反撃をしてくるフィフに対してテイルは舌打ちをしていく。

そんなテイルにフィフが相変わらず嬉しそうに笑いながら更に言葉を掛けてきた。


「ちょっとぉ、聞いた話だとテイル達竜人族は神にも戦いを挑む全世界最強の戦闘種族なんでしょぉ? もっと楽しんでくれないとこっちが萎えちゃうよ」


「そう言われても苦しいものは苦しいからねぇ……それに今はフィフみたいなのと戦う予定でここに来てなかったからね、なかなかテンションが上がらないんだよ」


「……ふ~ん……じゃあちょっとテンションが上がるようなことをしてみよっか?」


「へ? ちぃっ⁉」


フィフが話した次の瞬間、フィフのノールック魔法、フルバーストとマキシマムフリーズの二つがテイル機ワイバーンに炸裂する。


「あははっ、良い感じに吹っ飛んだ! さあてどこからどういう感じで戻ってくるかなぁ?」


爆煙のなかに消えたテイル機をとても良い笑顔を見せながら探すフィフ。

この嬉しそうなフィフとは反対に、テイルはフィフをどう攻略するかで頭を悩ませていた。


「ふぅ、どうにか防げたけど問題はどうやればフィフを倒せるか、なんだよねぇ……戦闘能力が私とほぼ同じぐらいだからちょっとやそっとじゃ倒せないし……うーん……」


こうしてテイルが悩んでいる間に、煙幕代わりに利用していた爆煙が少しずつ晴れていった。

閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねありがとうございます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ