《ライトへの宣告、そして……》
テイルから笑顔を向けられたライトは、同じようにテイルへ笑顔を返しながら声を掛ける。
「さすがはテイル姉、エグい一発だったよ」
「当然でしょ、だって殺すつもりで殴ったんだから」
「お~、怖。やっぱりテイル姉だけは敵にしちゃ駄目だねぇ」
互いに笑いながら酷い話をするテイルとライトにアーシア達は苦笑いし、ジャンとブラストは表情を曇らせていく。
そんなメンバー達の表情などはあえて無視してテイルがライトに言葉を続けていった。
「そんなことよりライトが無事で良かったよ」
「食らったのがフルバースト、火属性の攻撃だったからね、それこそ当然よ」
引き続き笑顔で返答していくライトに、テイルはそうではないと言って言葉を続けていく。
「ああ、そういう意味で言ったんじゃないから」
「え?」
「あの程度で死にかけたとか言おうものなら鍛え方が足りないって言って特別メニューを組んで鍛え直すつもりでいたから」
「ええ……」
テイルの発言に引きながら顔を青ざめさせるライト。
そんな二人を、苦笑いをしながら見ていたリューネルンが突然声をあげた。
「……む! テイルや、じゃれあっている場合ではないぞ」
「……そうらしいね」
リューネルンの言葉を聞いてフィフが吹き飛んでいった岩山に目を向けたテイルが声のトーンを一段下げてそう答えると、アーシア達も岩山に目を向けて魔力と気配の探知を始める。
そうしてテイル達がフィフの現状を探ろうとしていると、岩山の方から凄まじい魔力が放たれた。
「!! この魔力は……!」
「……フィフの魔力か……エグいね、これは……」
放たれた魔力の強大さにアーシア達が驚いていると、岩山の瓦礫が一瞬でどこかに吹き飛ばされる。
その光景にアーシア達が目を丸くした次の瞬間、岩山の方から声が聞こえた。
「……ん~~~、デストローーイ!!!!」
岩山の瓦礫を吹き飛ばしたフィフはそう叫ぶと、テイルの元に飛んできた。
「いやいや、良いねぇお前。テイルっていったね」
「……そうね」
「いやぁ本当に良いよ。だっていつ以来かな? 痛いって思う攻撃を受けたのは……」
「……そうか」
(あれで痛いって思うぐらいか……結構本気で殴ったんだけどな……)
フィフの言葉に一言で返しながらそう考えていたテイルに、フィフが嬉しそうに話し掛け続ける。
「いや、あの時からちょっとは楽しめるかも? とは思っていたけど、まさかここまでとは……嬉しい誤算だよ」
「……あの時? お前と会うのは初めてのはずだけど?」
フィフの言葉に、テイルは怪訝そうな表情で聞き返していった。
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