《ブラスト隊、テイル隊、出撃》
昔はよかった、というように表現した方が良い表情で空を眺めるテイルに対し、嫌いとは言わないまでも仲が良いとは言えないケイン・ファルネウスの名前を出されたブラストは憮然とした表情でテイルに声を掛ける。
「……ケイン閣下とは……砕けた言葉遣いでやり取りができる、ですか……」
「そうですよ? あれ? もしかしてブラスト将軍は悔しいって思ったりしてますか?」
「……そのようなことはありません」
テイルの質問にそう答えたブラストは、直後にテイルからいろいろと指摘されることになる。
「それは嘘ですね」
「……それはまたどうしてですか?」
「まず怒りのせいでしょうか、体がほんの少し震えています。次に先ほどと同じく怒りのせいで顔が少し赤くなっている。とりあえずはこの二つが理由ですかねぇ」
「……」
テイルの指摘になにも答えず無言になったブラスト。
そんなブラストを生暖かい目で見ていたテイルはあることを考え、心のなかだけで話していく。
(NATO本部で聞いた話からもしかして、とは思っていたけれど、やっぱりブラスト将軍はケイン殿に対して結構な対抗心を持っているね)
テイルがここまでをこころのなかで話したところで、遂にブラスト達やテイル達への出撃要請が行われる。
「……む、通信が……」
「うん?」
「こちら本部、攻撃開始時刻になりました! ブラスト将軍にテイル陛下、出撃をお願いします!」
「了解だ。すぐに出撃する!」
「ほ~い、了解! 私達も出撃するよ!」
本部からの指示を受け、ブラスト直属の部隊とテイル隊は準備ができたものから順番に出撃し始めた。
「ブラスト・シュツットバルド、出る!」
「テイル・フェリアシティ、ワイバーン、推して参ります」
「ライト・フェリアシティ、サラマンダー、出るわよ!」
「アーシア・ウインブライト、いきます!」
「ジャン・F・ケネディ、いくぞ!」
「リューネルン・ライズクロイツ、出撃するぞ」
「テオ、出撃します」
「フェイト・ブルーアイ、発進します」
こうして次々に出撃していったテイル達やブラスト直属部隊は完全に包囲された反政府武装勢力に止めを刺すための猛攻撃を開始する。
「……お、敵部隊が見えてきた」
「予定通り大混乱になっているな。直属の隊員すべてに告げる。ひとりたりとも逃がすな。良いな⁉」
「はい!」
「了解しています、将軍!」
「ならば良し。突撃だ! ついてこい!」
「はい、隊長!!」
この号令でブラスト隊が敵部隊に突撃をしていく。
一方のテイル達もそれぞれがバラバラに攻撃を開始していった。
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