《作戦会議》
「まず、我々の現在地はここになります」
ブラストがそう言いながら地図を指差していく。
「そしてここが武装勢力の拠点になります」
先ほどと同じようにブラストが説明をしながら地図を指差していく。
更に続けてブラストが指差す地点を変えながら説明を行っていった。
「作戦を説明しますが、この武装勢力の拠点を囲む形で配置した我々の拠点から順次攻撃を開始していき、最終的に今我々がいるこの拠点から攻撃を行い武装勢力の退路を封じる形にしようと考えています。いかがでしょうか?」
ブラストはそう話してテイル達に意見を求めてくる。
これにまずはテイルが質問を行った。
「それでは私からひとつ。よろしいですか?」
「はい、お願いします」
「では……昔から言われていることだとは思いますが、退路を絶たれた兵士達は死に物狂いで突撃してくる、そう聞いたことがあるのですが、今回の場合は大丈夫なのでしょうか?」
「確かにその心配はあります。ですからその危険性を考慮して最初の部隊が攻撃を仕掛けたあと、次に攻撃を仕掛ける部隊は最初の部隊が戦闘を始めてから一分後には攻撃を開始するように話してあります」
「ほう、それで?」
「以下、すべての部隊が前の部隊の攻撃開始から一分後に攻撃を開始するという作戦にしてあります」
「……なるほど? 時間差でくる攻撃に敵部隊は大混乱に陥る、ということですか?」
「はい。時間差で次々に行われる攻撃に敵部隊は死に物狂いの突撃を考えられなくなるぐらい混乱するのではないか、我々ドイツ軍一同はそう考えています」
「なるほど、よくわかりました。確かに今話を聞く限り大丈夫そうな気がしてきました」
「ありがとうございます。他になにかあるでしょうか?」
テイルが納得したところでブラストがそう尋ねていく。
これに今度はリューネルンが質問をしていった。
「では聞くが、敵部隊は皆殺しにしても良いのかの? 駄目なら手加減をしないといけなくなりそうで少々面倒なんじゃが?」
「……できれば生け捕りにして情報を吐かせたいのですが、それは最悪指揮官や指揮官の近くにいるものだけで良いでしょうから、過度な手加減はしなくても大丈夫ですよ」
「ほう、そうか! ならばよし、今回も大暴れできそうじゃな!」
ブラストの返答を聞いたリューネルンが楽しそうに嗤っていく。
そんなリューネルンの姿に内心軽く震えたブラストだったが、気を取り直してテイル達に質問を行う。
「他になにかあるでしょうか?」
「……ないっぽいかな?」
「ないっぽいね」
「ないと思います、ブラスト将軍」
「そうですか。それではすぐに作戦開始といきたいのですが、よろしいですか?」
「大丈夫です、問題ありません」
「了解です。それでは……反政府武装勢力掃討作戦、開始!」
テイル達の返事を聞いたブラストがこう宣言して作戦を開始していった。
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