《テイル達とドイツ軍、合流》
テイル達が山岳地帯に突入したところで、ジャンが話していたようにドイツ軍の方からテイル達に通信が入ってきた。
「……お? どこかから通信だ」
「多分ドイツ軍だろうな」
「わかった、ちょっと出てみる。はい。こちらフェリアシティ王国女王、テイル・フェリアシティです」
「こちらはドイツ陸軍少将、ブラスト・シュツットバルトであります。テイル陛下、ご丁寧な挨拶に加えこの度の我が軍への協力、大変嬉しく感じています」
「ブラスト将軍の方こそご丁寧にありがとうございます。それで合流地点はどこになるのでしょうか?」
互いの挨拶もそこそこに、合流地点を尋ねていくテイル。
これにブラストの方も即座に応じ、テイルに合流地点の座標を伝えていく。
「合流地点は地図にマーキングしたものを送信します」
「わかりました、よろしくお願いします」
「はい。それでは通信を傍受される恐れがありますから、これで失礼します」
「了解です、それでは」
「はい、それでは」
こうして通信を終わらせたテイルは直後に送信されてきた地図を見て、マーキングされた地点をジャン達に共有していった。
「……お、地図データが送られてきた」
「テイル、そのデータ、俺達にも見せてくれないか?」
「わかった、今共有するね」
「すまんな……ああ、ここか」
「うん? ジャン、あなたこの場所のことを知ってるの?」
共有されたデータを見てのジャンの反応に思わず質問していくアーシア。
ジャンはそんなアーシアや、質問をしていないテイル達にも合流地点のことを説明し始める。
「以前行ったヨーロッパ連合軍とアメリカ軍との合同演習の時に一度だけな。まあその時だけなんだが」
「そうだったんだね。まあそれはそれとして合流地点に急がないとドイツ軍に怒られるかもしれないから、そろそろ行こうか?」
ジャンの説明を聞いたテイルが一同にそう伝えていく。
これに全員が頷いたことを確認したテイルが搭乗機ワイバーンの速度を上げていき、ジャン達も続いて速度を上げていく。
そうしてドイツ軍との合流地点に到着したテイル達をドイツ軍将兵一同が整列して出迎える。
そんなドイツ軍の近くにゆっくりと着陸していったテイル達は、着陸完了と同時にマシンアーマノイドから降りてドイツ軍将兵の前に歩いていき、ドイツ軍将兵一同に敬礼を行った。
これにドイツ軍将兵一同も敬礼を返していき、ドイツ軍将兵のなかからひとりの男性が歩み出てくる。
「お待ちしておりました、フェリアシティ王国軍の皆様。俺は今回の作戦の総指揮官、ブラスト・シュツットバルトです。よろしくお願いします」
テイルの前に立ったブラストはこう話してテイルに手を差し出してきた。
閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねありがとうございます!




