《テイルとドイツ国王の会談》
テイルとブラスト将軍か通信をしている最中、大臣は兵士に命じて国王を謁見の間に連れてくるように命じる。
この指示を受けた兵士は静かに、それでいて急いで国王の元に向かっていった。
そうしてテイルとブラスト将軍との通信が終わったのとほぼ同じタイミングで兵士を引き連れた国王が謁見の間にやってくる。
「突然呼び出されたわけだが、なんの用かな、大臣?」
「はっ、実はフェリアシティ王国のテイル女王陛下がこの城においでになられまして、陛下との会談を行いたいと仰られたものですから……」
「ほう! テイル女王がドイツに! それはすぐにでも……むっ!」
謁見の間にいるテイル達の存在に気付いたドイツ国王がテイル達に挨拶をしていく。
「おお、貴女がテイル女王ですな? それにアメリカのジャン殿下も来ておられる。加えて貴女はエルヴァンディアのアーシア殿下ですね。皆様、遠いところをようこそドイツにお越しくださいました」
「貴方がドイツ国王ですか、もうすでにお見知り置きをいただいているようですが自己紹介を行います。私はテイル・フェリアシティと申します。よろしくお願いいたします」
「これはこれはご丁寧にありがとうございます。私はドイツ国王、ヴィクトル・ヴィルヘルムと申します。これからもよろしくお願いいたします」
お互いに挨拶を行い、握手をしたところでテイルがドイツ国王を間近で見た感想を心のなかで話していった。
(なるほどねぇ……このお爺ちゃんがドイツの国王陛下様か……失礼だけどもう数年でポックリ逝きそうな気がするんだけど……これはこのお爺ちゃんと友好関係を築くんじゃなく、このお爺ちゃんの子供やお孫さんと友好関係を築いた方が良さそうだなぁ……)
このとんでもなく失礼な感想を頭のなかで話したテイルに、ドイツ国王ヴィクトルが話し掛けてくる。
「先ほどここに来る間に兵から聞きましたが、早速我が軍の作戦に協力してくださるそうですね?」
「はい、そのつもりです」
「そうですか、それは大変ありがたい。テイル女王陛下には是非これから先、私の子や孫、更にそれ以降のドイツとも良き友人であっていただきたいものです」
こう話して穏やかに微笑んでくるヴィクトル国王に、テイルが少し怖い顔をして返答していく。
「その頼みを聞き入れるかどうかはドイツの行動に掛かっている、そう言った方が良きでしょうね」
「ふむ、それはどういうことですかな?」
「あなた方ドイツが、この世界が正しい方向に進んでいくことを願う国であり続けるかぎり、私達フェリアシティ王国はドイツの友人であり続けますよ」
テイルはこう話してヴィクトル国王の目を真っ直ぐに見ていった。
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